(生)『顔』

ミシンを踏むだけの日々を過ごしてきた吉村正子(藤山直美御嬢様)。ホステス
だった妹、由香里(牧瀬里穂御嬢様・名演!)を殺し、逃亡犯になってしまい、
彼女は生まれて初めて家を飛び出す。その次の日、神戸を襲った阪神大震災……
それもあって、警察の追跡も鈍りがち、逃亡の中で別の女を演じ、自分とは違
う人生を演じることで、今までの生活で欠けていた生きている実感を感じ、
ひたすら逃げ続ける……

はい……もうキャストが凄い!ヒロインの正子には、藤山直美御嬢様、その妹
には、大化けした牧瀬理穂御嬢様、母親の常子には、渡辺美佐子様、最初に正
子が御厄介になる大阪のラブホテル経営者には、岸部一徳様、リストラされて、
解雇された会社に復讐を誓うサラリーマンには、佐藤浩市様……そして、逃亡
先の別府で場末のスナックのママを演じるもう一人のヒロインに大楠道代様
(*^_^*)(ポッ)そして、その弟に豊川悦治様……更には、客として國村準様が入
られているという完璧さ!

ここまで良く曲者を集めたもんだ……と感動しましたです……ハイ。

映画のほうは、感動するというよりも先に、笑わせて……ホロリと泣かせるコ
テコテ……ベタベタ……と思いきや、案外とベタなところはスッキリとしてい
て、それが故に後味サワヤカなんですよ。

出会う人が皆さん脛にキズあり!と言うのが素晴らしい\(^0^)/
ホント……安心して観れます。借金を抱えて誤魔化しながらマージャンに明け
暮れるラブホテルの社長さんとか……。妹だって、決して陽の当たる場所だけ
を歩んできた訳では無いし、会社に復讐を誓うも、無視されるほうだってよーく
気持ちは判ります。(涙)妻に馬鹿にされながら、汗だくになって映写機を廻す
國村準様なんかは痛すぎ!(笑)そして……極めつけが場末のカラオケスナック
のママを演じた大楠道代様なんですねぇ(涙)

自分も新宿ゴールデン街で12年間呑んできた呑み助なんで、このパートが一
番良く判るんですわ。ただ……或る程度キツイところも描いておいた方がラス
トの「逃げるんや……お腹空いたら御飯食べて……逃げて、逃げまくるんや……」
と言う号泣必定の台詞がズッシリと利く筈なんですよ。


あと……不満は、ラストの狐踊りなんですわぁ……これは、ちょっと退いてし
まったのですし、このパートだけ何か間延びしたなぁ……と感じるものがあり
ましたが、それでも傑作であるのは疑いの無いところ。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年9月29日 テアトル新宿にて鑑賞)

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