(毒)『従姉妹ベッド』

皆様、御機嫌如何でせうか?わたくし、マダム・DEEPと申します。

先日、『従姉ベッド』を遂に鑑賞致しました。「毒」に満ち溢れた
魅惑に満ちた映画で御座ひました。(*^^*)うつとり

この映画の見所は『エイジ・オブ・イノセンス』で、持てる才気を全開
させた天才衣装デザイナアの御一人でゐらっしゃひますガブリヱラ・
ベスクツチ様の面目躍如と言つた感がするのでせう。

と言ひますのは、ヒユウロツト家の破滅を導くベツド様に扮するのが、
ジェシカ・ラング様でせうが、彼女の設定が「劇団の衣装係」と言ふ
設定だからなのでせう。

この映画、冒頭から、スティーヴン・フリアーズ監督の大傑作『危険
な関係』を意識して、オウプニングには御針子である彼女の7つ道具
を真紅のサテンの布に置き、鋏の輝きと共にカメラを流すのでせう。

この瞬間にゑも言へぬ「官能」と「興奮」がわたくしの体内を過ぎつた
ので御座ひます。

物語の方も、バルザツク様の原作とは異なり、ゐきなりアドオリイヌ様
(ジュラルディ・チャップリン様)が御亡くなりになつて仕舞ふと言ふ
違ひは御座ひますが、それは「同情を惹かなひ」為に「賢婦人の鑑」
たるアドオリイヌ様を消したので御座ひませう。

尤も、わたくしはベツド様の支持者故、「美貌」に包まれたアドオリイヌ
様の生き方は「建前」にしか見えなひのでせうが………(冷笑)×(毒)

何と、「美徳」の滅びるのは早ひことでせうか………(につこり)

自殺未遂をして仕舞つた、ウヱンスランセスを助けて、我が物にし
たひとする彼女の思惑とは別に、その一縷の望みと共に、殿方は
アドオリイヌ様の娘でゐらつしゃるホルテンス様と結婚………(涙)

その時から、ベツド様の心に「黒ひ情念の炎」が燃へ盛るのでせう。

クルテザンヌ(高級娼婦)兼舞台女優でゐらつしゃるジヱニイ様に
協力を仰ぎ、好色家で名高ひヒュウロツト様を引き回し、破産に
追ひこむ呼吸は現代にも通じる痛快さが御座ひますのよ。

それに、この映画の見所は、和蘭静物画を彷彿とさせる果物や、
花器と花の配置でせう………。
まさに、「豪奢」を極めた感じが匂ひたつのでせう。


コスチュウムプレイ物は沢山観て参りましたが、此れほど迄に
贅と豪奢を極めたクルテイザンヌとブルジョアの生活を描ひた作品を
わたくし他に観たことが御座ひません。

と言ふわけで、これも98年度のベスト1候補に入れさせて頂きます。

『裏社交界の徒花』 マダム・DEEP(HCD05016@nifty.ne.jp)

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