(鎧)『県庁の星』

野村聡(織田裕二さま)は某県庁のキャリア公務員。
「政治は人の上に人を作り、人の下に人を作る」を信条に
プライドも成績も高く、業務にもそつがない上昇志向丸出
しの男。恋人も地元大手建設会社の令嬢。人生は順風満帆。
今後は200億円を投じた「特別養護老人施設建設」のビ
ッグプロジェクトを足がかりに、更なるステップアップを
狙っていた。そのプロジェクトを前に、県政の目玉である
民間企業との人事交流研修のメンバーに選出され得意満面。
だが、研修先は店員達のやる気がなく、客もまばらな駄目
駄目スーパー「満天堂」更に悪い事に、野村の教育係として
任命されたのは、二宮あき(柴咲コウ御嬢様)と言う自分
より年下のパート店員だった……。

スーパーを舞台にした映画と言えば、故、伊丹十三監督の
『スーパーの女』が懐かしいですが、流通の基本の「キ」は
「死筋商品=余剰在庫」を如何に減らすか?ずばりこれに
掛かっています。そんな訳でこの「満点堂」は名前とは裏
腹に駄目駄目スーパーの悪いお手本(笑)

バックヤードに未整理の在庫を抱えているとは倒産寸前の
スーパーでも考えられないことですが、まあ、そこは映画
ってことで目を瞑ると……中々どうして、この映画実に良く
出来た作品です。

目新しいものは何一つありませんけれども、兎に角手堅い。
実はこれって案外難しいものでして、つい目移りしてしま
って失敗するパターンも多いんですが、「基本商品」を
棚割りに沿って埋め込んでいるんで、観ている方は安心して
観る事が出来るんです。

主役二人のキャラクター造形も十分に行き届いているし、脇
を固める役者も実力派揃い。映画の中でも描かれている大
プロジェクトは、映画の外でも「メディアミックス」と言う
形で実現し、現実と重なってしまう部分があるのは実に興味
深いことです。

さて、この映画で一つ印象に残っているのは、主役の織田
裕二さまが、老けちゃったかなぁ?と言う印象を持ってしま
ったことなんですが、役柄としてみれば実に自然でして、
『踊る大捜査線』の様には行かなくなってしまった年齢に
なってきたと言うことでしょうか?

対して柴崎コウ御嬢様は、これまた年齢相応の役柄で登場。
裏店長と呼ばれる「お局さま」を実に巧みに演じており、
「経験に基ずくスキル」を全身で表現しているのが凄いなぁ
と改めて感じた次第。

纏り過ぎていて、独自の感想はそうそう挙げられないのですが
好きな映画の一本です。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2006年2月27日 ワーナーマイカルシネマズ市川妙典にて鑑賞)

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