(愛)『きみにしか聞こえない』

横浜に在住の傷つきやすく内気な女子高生、リョウ(成海璃子
御嬢様)。そんな性格故、友達のいない彼女は携帯電話も持
っていない。ある日、公園で拾ったおもちゃ携帯から着信音
が流れる。それは、長野県在住の見知らぬ青年シンヤ(小出
恵介さま)からの電話だった。この時から、ずっと孤独だっ
た2人の、不思議な交流が始まる。頭の中に直接聞こえてく
る声で「電話」をするうち、2人の心は打ち解け、互いの存
在に励まされるようになっていく。そして遂にに、2人は東
京にて実際に会う約束をするのだが……。

自分がこの映画を観る切っ掛けとなったのは、Movie Walker
東京と言うサイトの「見てて良かった!」TOP10でして、観た
ユーザーの方の満足度をグラフ化しているものなんですが、
今週は『キサラギ』が一位、二位が『きみにしか聞こえない』、
三位が『舞妓Haaaan!!!』と錚々たるラインナップ!

でも?『きみにしか聞こえない』って何?!と気になってネッ
トで調べたら来週の金曜日迄は近所のシネコンで1回限りです
が上映されているので観に行った次第です。そんな訳で大変に
地味〜な映画ですし、『キサラギ』程に、口コミでも評判が広
がっているとも思えない。ですが映画って言うものは観終わる
迄は判りません。観終えた後、この映画を今年のベスト5には
是非入れたいと思った程に(・∀・)イイ!! んです。

二人のキャラクターがまず親近感を覚えてしまいますね。内気
で常にボゾボソと喋ることしか出来ず、話す相手も居ないから
携帯電話も持っていない女子高生リョウに、携帯は持っている
けど話す相手が居ないと言う意味で強いシンパシーを感じて
しまいますし、シンヤはシンヤで5歳の時に事故に遭い、家族
と聴力を失ってしまった孤独な青年として描かれております。
客観的に見た不幸度(?)から見れば、シンヤの方が高いので
すが、彼の行き方はかなりポジティブに生きているんです。
そんなシンヤの励ましを受けて、リョウが段々と前向きな生き
方を選んでいく姿が清々しい。そんな時、リョウの元へもう
一本の電話が掛かってくるのです。明らかに年上の女性で彼女
は原田(片瀬那奈御嬢様)と名乗っておりました。
最後の最後に何故彼女から電話が掛かってきたのか?の謎が
明らかになるのですが、その謎が実に大河浪漫の王道を行って
いて(・∀・)イイ!! んですよ……

そして、何と言っても本作のクライマックスは、リョウに逢い
にシンヤが長野から出かけてくる場面。ここである仕掛けがし
てありますが、これが絶頂期のデ・パルマ・タッチを彷彿とさ
せる盛り上げ方でして、それがラストの感動へと繋がっていく。

都内でも公開している劇場は数少ないし、しかも来週で打ち切
りの所が多いのでありますが、観る機会があれば是非観て頂き
たい一作としてお願いしたい所存であります。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2007年6月23日ワーナーマイカルシネマズ市川妙典にて鑑賞)

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