(未)『コリアン・ランダム〜現代韓国短編集〜』

今年で東京国際レズビアン&ゲイ映画祭も10回目を迎えました。その中で一
番最初に観たプログラムがこの『コリアンランダム〜現代韓国短編集』。

『ピンク』(リョ・ヒンスク監督作 13分)
『サンドイッチ』(イム・ウジョン&ユ・ソンドン監督作 16分)
『シュガー・ヒル』(イソン・ヒイル監督作 23分)
『ラクリマ』(イム・チャンジェ監督作 20分)
『キス大騒動』(キム・ソンジュン&キム・ヒ監督作 6分)
『あなたのそばにいること』(ヨンパ女子中学校放送班 17期)

の6作品でして……今回は、『ラクリマ』、『キス大騒動』、そして現役の中
学生が撮った驚くべき作品『あなたのそばにいること』の3本に絞って感想をば。

『ラクリマ』……話的には、全然訳判らん世界ですが、「ストーリー」を狙って
いる訳では無いのが最初から明白なんで映像勝負♪

『死の王』、『リング』などの最近のホラー映画に触発されたのか、ドキリとす
るような映像が頻出し、その度に眼が冴える。韓国=日本の古式ゆかしきホラー
には「情念」が不可欠なんですが、その「怨」と「恨」が炸裂するような濃い画
面と構成。気になる一本です。

『キス大騒動』……エレベーターに乗っている男同士のキスに出会ってしまった
ノンケの方々の戸惑い(笑)ビデオ撮りですが、エレベーター内と言う狭い空間故
にビデオ撮りは正解。この短編集の中では唯一、切り口が面白いと感じた作品。

『あなたのそばにいること』……現役女子中学生が撮ったとは……技術的に光源
の問題とかいろいろありますが、それらを差し引いても「瑞々しさ」が残るのは
貴重。一組の女子学生同士の淡い初恋が描かれ……不器用な故に胸キュンとなる
カルピスの味(懐)

全部で6本ですが……正直言えば、まだまだこれからと言うのが本音。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2001年7月19日 東京レズビアン&ゲイ映画祭 スパイラル・ホールにて鑑賞)

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