(天)『クレヨンしんちゃん〜嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』

春日部に住む野原一家………彼等は、何故か同日に同じ夢を見てしまう。
それは、古の時代………ある姫君が泉のほとりで佇んでいる光景だった。
その次の日、野原一家の愛犬兼名犬シロが、裏庭をそこ掘れワンワンと
ほじくり返す。何時の間にか庭には大きな穴が………(^^;;
それに気が付いたみさえママは、しんのすけの「管理責任」を問い、
しんのすけに穴を埋めるように指示する………。穴を埋めようとすると、
何故か強硬に抵抗するシロ………(ここが前半最大の見所(^^;;)
で………しんのすけも掘り起こしてみると、何故か漆箱に入った手紙が………
その筆跡は、紛れもなくしんのすけ本人の真筆だった。
「オープン・ユア・アイズ」ならぬ、「クローズ・マイ・アイズ」して
しまうと………しんのすけが立っていたのは、夢でみたあの泉だった。

泉を抜けて………小高い丘の上に立つと合戦場が目の前にあり、しんの
すけは、ひょんな事から歴史上この合戦で死ぬ筈の勇士、井尻又兵衛由俊
を助けてしまう事に。

一方、しんのすけの安否を気遣うひろしとみさえ………唯一の手掛かりは
しんのすけ真筆の一通のあの書状………「てんしょうにねん」と言うキー
ワードから、ひろしは図書館に通い郷土史料を読破\(^0^)/<ツボ!
何とそこには「野原一家」がこの合戦で参加したことが「史実」として
明記されていたのでありました………

前作の『クレヨンしんちゃん〜嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』も
凄まじい程の名作でしたが、今回も紛れもない大傑作です。\(^0^)/
何と言っても今回の実質的な主役、井尻又兵衛由俊のキャラが良いんです。
しんちゃんほどのお尻が名器であれば………あの尻欲しいです(涎)(^^;;
寝込みを襲って跨ってしまうほどの「良い男」なんですよ(*^^*)ポッ
彼と姫君の廉姫の不器用な純愛も、ググッと来ましたし………あれほど
の「良い男」が何故独身だったかも、生い立ちと時代背景からすれば納得
が行く出来映えです。

そして………老城主の「これらの大国が消滅したとしても、未来の世が
平和ならば良いではないか………」と言う台詞も戦国の世に生きながらも
己の運命をあるが侭に受け入れ天命を待つ姿勢が垣間見え……思わず涙。

そして……どんな経緯があったか判らない迄も、一度は主君を持つ宮仕え
の身を落として野侍になってしまった二人の武士に対しての「情」も泣け
ます………これは現在、リストラ・サラリーマンに対しての「哀歌」なん
でしょう………(涙)

今回期待したのは、物語もさる事ながら「背景の絵」なんです。予告等で
チラリと見た限りでは……極私的大河浪漫史に輝く大名作『蓮如物語』
と同じく「日本画」だと思っていたのですが、「日本画」と言うよりも、
ジャポニズムの影響を色濃く受けた印象派の巨星クロード・モネの画風に
森の風景は極似していますし………合戦前の篝火が煌煌と灯っている様は
横山大観の『夜桜』そして、冒頭に示された廉姫と泉のコントラストは、
菱田春草の代表作『水鏡』を思わせるほどの色合いなんですねぇ(*^^*)ポッ

観ながらこれほどの絵画的イメージが浮かんだのは、『シン・レッド・
ライン』での「山水画」………そして『地獄の黙示録〜完全版』での
ドラクロア、モロー等の19世紀浪漫派〜象徴主義派の絵画以来なんですよ。

とにかく、あの「歴史を変えるオバカ登場」と言うポスターの「オバカ」
に騙されては為りません。それぞれが「天命」を受け入れ、その中で一生
を全うした愛しい意味での「大馬鹿」なんですよ………

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2002年4月22日 日劇2にて観賞)

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