(匠)『L.A.コンフィデンシャル』

皆様、今晩は。大倉です。

え〜っとですねぇ。こんな事を書くのは非常に申し訳無いのですが、
僕はこの『L.A.コンフィデンシャル』と言う「映画」ですが、全く
乗れませんでした。(涙)

会議室にも書いたのですが、本当に「お約束事」がキチンと
守られ(つまりは技術的に破綻が少ないってことですね)セリフの妙
も中々、とりわけバト(ラッセル・クロウ)とリン(キム・ベイシンガー)
との出会いの会話は、お互いがどれだけ頭が切れるかと言う探り
合い的な意味と、ほのかな恋愛感情を匂わせていて好きでは有る
のですが、だからと言って僕がこの映画を主観的に好きかと聞か
れれば「どうでも良い」と答えるしかないのでしょう。

理由の方はただ一つ。エルロイの最大の持ち味である「情念」の
欠如です。(涙)(涙)(涙)

このジェイムズ・エルロイと言う作家なのですが、決してプロットの
面白さで引っ張る作家ではありません。行間に「濃厚」に漂う「情念」
に因って読者を引っ張る作家です。

「情念」の欠如と書きましたが、この製作者はそれが判っていて
(その意味では評価しますし、判って居なければ罵詈雑言モードの
嵐になります)(笑)

その「情念」と言う厄介な代物を、どうしたかと言えば、下世話な話
になりますが、醤油味の関東風の味をただ単に水で薄めた訳では
無く、それに代わって関西風の昆布だしで代用したとでも言いましょ
うか?そこのところは本当に良心的ですね。(^^)

ただねぇ。僕は根が仙台人なもので、本当に高血圧間違い無しの
食事に慣れ親しんできたもので、あっさりした懐石料理を出されても
「何か物足りないよなぁ………」となってしまうのです。

京都から持ってきた筍等を使い、非常に良く出来ている料理ですし、
器も魯山人のものを使っている。仲居さんの御行儀も良い。確かに
値段に見あったものです。
ただねぇ………「腹に入らないんですよ」(涙)

と言う本当に抽象的な話題でお茶を濁してしまうのですが、もう一つ
面白いなと思ったエピソードがありましたのでそれを書いておきます。

野心家のエド(ガイ・ピアース)が近視で眼鏡を常用しております。
彼が一人でオフィスに居るときに、眼鏡を掛け直して掛け時計を見る
シーンがありますよね。

実は、このシーンなのですが、日本に初めて紹介されたハンソン映画
『窓〜ベッドルームの女』(86年)からの引用なのです。(^^)
詳しく語ることは避けますが、興味の或る方は是非御一見を御勧め
致します。

「大河ロマンを愛する会」 大倉 里司(HCD05016@nifty-serve.or.jp)

BGM:Tori Amos『Spark』←これぞ僕にとっての「情念」の歌(^^)

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