(恋)『ラブ・ジョーンズ』

またまた、サンダンス・フィルム・フェスティヴァル・イン・トーキョー・97
で観た映画の感想です。

「サンダンス・フィルム・フェスティヴァル」には「観客賞」と言うのが
設けられていて、是非東京国際も見習って欲しいのですが、
僕にとっては、非常に信頼がおける賞なのです。その信頼度たるや
米国アカデミー賞の比ではないのです。

一応、本題に入る前に過去の受賞作を思い付く限りに並べてみると。

☆『セックスと嘘とビデオテープ』
☆『ワン・カップ・オブ・コーヒー』
☆『ロングタイム・コンパニオン』
☆『エル・マリアッチ』
☆『ピクチャー・ブライド』
☆『フープ・ドリームス』
☆『ハリケーン・ストリーツ』
☆『この森で天使はバスを降りた』(これだけが未見です。超期待!)

そして、本年度の受賞作が、これから紹介する『ラブ・ジョーンズ』です。

シカゴを舞台にアフリカ系アメリカ人の二人の恋の行方を描いている
ロマンティク・コメデイと言えば良いのでしょうか。
駆け出しの作家兼詩人のダリウスは、とある倶楽部で美人のカメラマン
志望の女性ニーナに一目ぼれ。彼は彼女の為に一遍の詩を贈ります。
これがきっかけで二人の仲が進展し、邪魔が入ったり仲たがいしたりと
実に定番通りの展開を示していくのです。(笑)

こうした作品は、恋愛感情が欠如している僕にとっては、本当にどうだ
って良い「他人事」の筈なのですが、恐ろしいことに感情移入しまくり
の状態でした。(笑)

エピソードの一つ一つの切り方が新鮮に思えましたし、僕にだって
多少の同棲経験はあるわけで、その古傷を孔雀の羽でさすられている
様な感じで、変に気持ちが良いのです。

だって『ラブソング』ですら「大河ロマン」としての観点から観てしまい、
こうした真っ当な恋愛映画でここまで面白く観れたのが、恋愛中なら
ともかくとして、不思議でなりません。

あと、この映画は音楽の使い方が非常に見事です。
と、言ってもダンス・ミュージックだなんて思わないでくださいね。(笑)
チャーリー・パーカー、アル・グリーン、コモドアーズ等の黒人系音楽
の使い方。好きな人には堪らない魅力に溢れているでしょう。
ジャズ、フュージョン、ファンク、ブルース、ソウルどれを取っても選り取り
みどりの美味しい曲ばかり。
曲名は分からないのが残念ですが、全て良い曲だなと感じ取る耳は
持っているつもりです。

とりわけラストに流れる『ラブ・ジョーンズ』の使い方によって、この
映画のテーマが如実に示されるところは見事ですし、ソウルフルな
メロディーに酔い痴れました。

日活が配給権を買ったそうなので、日本で観れる日も近いでしょう。
『ユリーズ・ゴールド』と共に御勧め出来る一本です。

(サンダンス・フィルムフェスティヴァル・97・イン・トーキョー会場
テアトル西友にて。)1997/12/06

大倉 里司(HCD05016@nifty-serve.or.jp)

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