(演)『女優マルキーズ』

皆様、御機嫌如何でせうか?わたくし、マダム・DEEPと申します。
本日、渋谷文化村ル・シネマにて上映されてゐる『女優マルキーズ』
を鑑賞させて頂きましたの。


東京国際映画祭にて見逃してしまひ、期待してゐたのですが、感想
が余り芳しく無ひので、期待を薄めて行つたのですが、それで正解
でしたわね。この映画には、何よりも「華」が欠けておりますわ。

台詞は良ひのに、演出が下手ですもの………。(涙)

この映画の劇中劇として、喜劇のモリエール様と悲劇のラシーヌ様の
それぞれの舞台が御座ひますが、映画の視線と舞台の視線を使ひ
分けてゐなひのが致命的ですわ。

万事がその感じで御座ひますので、映画そのものが平坦に終わつて
仕舞ひますもの………。

場末の単なる踊り子に過ぎなかつた女性が如何にしてスタアになるのか?
モリエール様の芝居とラシーヌ様の芝居の役を作るに当たつて、どの様な
アプローチをしたのか?

そこのところがまるで描けて居なひものですし、「舞台」を「舞台」として
映画の中で別の空間にして居なひものですから、どの芝居にしても同じに
見へて仕舞ふのですわ。

風邪で高熱を出し、舞台に立つのは良ひ試行で御座ひますが、そふした
場合、楽屋→舞台の初盤→舞台の端→観客席→舞台の中盤→中入り
→楽屋→舞台の上で倒れると言ふ立体性を持たせなひと、感情移入も、
「女優」としての「張り」も垣間見へ無ひのですわ………。

唯一、完全なキャラクタア造形に成功してゐたのは、パトリック・ティムシット
様演じるグロ・ルネ様だけでしたわ。

自分の死をも舞台にして仕舞ふ「愛」にわたくしは、「張り」を見出します。

『裏社交界の徒花』 マダム・DEEP(HCD05016@nifty-serve.or.jp)

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