(幻)『真夏の夜の夢』

皆様、御機嫌如何でせうか?久々に登場のわたくし、マダム・DEEPで御座
ひます。

シェイクスピア様原作の映画化、舞台化も数限りなく行われておりましたが、
今回の『真夏の夜の夢』は、舞台を十九世紀末の伊太利亜のトスカーナ地方に置
ひた事によつて、現代でもなければ、古色蒼然とした時代劇にも為らずに済んだ
好例でせう。

結婚とは愛ではなく親の決めるもので御座ひましたの……公爵(デビッド・スト
ラザーン様)から父親が決めた相手ディミトリアス(クリスチャン・ベール様)
にするやうにと言われたハーミア(アンナ・フレイル御嬢様)は、ライサンダー
(ドミニク・ウェスト様)と駆け落ちすることを決心するのですわ……ふふ。
ところがですわ……それを聞ひたハーミアの親友ヘレナ御嬢様(キャリスタ・フ
ロックハート御嬢様)は、ディミトリアス様を愛するがゆへに、この秘密を彼に
話してしまうのでせう。その夜、恋人たちは森へとお隠れになり、ディミトリアス
は二人の後をつけ、ヘレナもまたディミトリアスを追つて森へと自転車を走らせる
のでせうが……

これが物語の骨子で御座ひまして、妖精の王オベロン(ルパート・エベレット様)
と妖精の王妃タイタニア(ミシェル・ファイファー様)との確執。そして、妖精
パック(スタンリー・トゥッチ様)の善意が招ひた手違ひにより、誰しも予想が
付かぬ惨劇が……とは為りませんのよ。ですが……善意で行つたとは言へ、幸福
と不幸は紙一重……作者の意図によつてどちらにも転ぶところに深みを感じるの
で御座ひます。

ほんとうに、この映画は役者陣も大根役者を御演じに為られましたケヴィン・
クライン様、ほんの端役扱ひのフランシス様にサム・ロックウェル様……公爵夫人
にソフィ・マルソー御嬢様を配し、ほんとうに豪華で御座ひますが、それよりも凄
まじひのが、スタッフの面々で御座ひまして、製作総指揮がアーノン・ミルチャン
様……音楽がサイモン・ボスウェル様……そして衣装デザイナアが、ジェームズ・
アチェソン様と並んでわたくしが最も評価してゐるガブリエラ・ペスクッチ様です
の(うつとり)

幾つかのエピソウドが冗長過ぎたりも感じは致しましたが、行つて……楽しく笑
つて、美麗な楽曲と絢爛豪華な衣装に酔ひ痴れるのも……さふ悪くなひ出来栄え
でしたわ。(につこり)

「裏社交界の徒花」 マダム・DEEP
(2000年4月28日 有楽町スバル座にて鑑賞)

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