(愛)『マイティ・ジョー』

皆様、今年は卯年ですね……本編の登場する申年迄は5年掛かります。
と訳の分からないことを書いてしまいましたが、本日、巨大お猿さん映画
である『マイティ・ジョー』を拝見致しました。

観るまでは知らなかったのですが、この映画は、傑作『シティ・スリッカーズ』
でガサガサに乾いた都会人の心を和ませてくれたロン・アンダーウッド監督
の作品だったのですね。それだけで何か得をした気分になりました。(^^)

さて、映画の方の簡単な紹介をすると……アフリカのさる奥地で動物学者
のルースは愛娘ジルとゴリラの生態を見ながら暮らしておりました。

しかし、平和な日は、そうそうは続かず森に密猟者が入ったことにより母
ゴリラが殺されその子ゴリラである本編の主役のジョーも攫われそうになる
ルースの努力によって、何とかジョーは救えたが、その代償に母ルースも
密猟者に撃たれ命を落とす……母、ルースの遺言は、「お願い、ジョーを
守って」と言う言葉。

やがて……12年の歳月が流れ(此処が燃えますねぇ(^^ゞ)すっかり成熟
した女性となったジル(シャーリーズ・セロン)は、アメリカより来た動物学者
グレッグ(ビル・パクストン)と出会うことになる……やがて、それは大きな
悲劇を生む要因となって行く……的な展開です。

僕は正直言って、ゴリラ愛護物の『愛は霧の彼方に』は、大嫌いなのですが、
これは好きになりました。

御子様も安心して観られる家族向けの映画でありながら、作りとしては、か
なり手堅く撮っているのを感じるんですね。

やはり、腐っても聖林、久々……と言うか、カラーでは初めて「RKO」の文字
を観た気が……(^^ゞ(RKOとはハワード・ヒューズが設立した映画会社)

僕が感心したのは、ルースとその娘のジルを繋ぐ存在としてピンディ(『イング
リッシュ・ペイシェント』で美意識の高い軍人を御演じになったナーヴィン・アン
ドリュース様)を置き、所謂「時の流れ」的なものを映し出す語り部として機能
しているんですよ。\(^○^)/

それに、ビル・パクストンが演じた名前が、グレッグ・オハラでしょ。オハラと
言う姓(日本でも或るが(笑))アイリッシュ特有の姓なんですよね。

そして、動物保護センターのハリー所長を演じたデビット・ペイマー様は、
『レッサー・エヴィル』でも事件の鍵を握る弁護士を演じておりましたが、
御懐かしやと言う感じで、最初は小役人風情だったのですが、最後に見せ
る小粋な計らいは「愛」を感じますねぇ。\(^○^)/

配役と言えば、密猟者変じて動物ブローカーになっているシュトラッサー役
のレード・セルベッジア様を忘れる訳には参りません。

この方は、何と言っても『ビフォア・ザ・レイン』で強烈な印象を残したクロア
チア出身の俳優さんです。

悪役ですが……「欲得」よりも、「私怨」でジョーとジルを付け狙う設定にした
処に単純では割り切れない人間の欲望と憎悪を重ね合せることに成功して
おりますし、何よりも、「クロアチアかセルビア人らしき人」とセリフの中に
織り込ませている処に、スタッフが彼に対して払っている「敬意」と「愛」を
感じることが出来るんです。

ネタを明かすことが無いように配慮して書きましたが、東京地区では23日
迄の公開となりました。何を観ようかと迷ったら選択枝の一本として入れて
下されば幸いです。

個人的な、今年のベスト1候補では無いですが、ベスト10候補には十分入
る出来だと僕は感じました。

最後になりましたが、劇中の音楽が全てサントラ盤に入っていたら僕は買
いますね。アフリカの伝承音楽が多く見事な音楽です。>ジェームス・ホー
ナー様

「大河浪漫を愛する会」 大倉 里司(HCD05016@nifty.ne.jp)
(4月21日 渋谷東急3にて鑑賞)

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