(愛)『ナビィの恋』

東金城奈々子(西田尚美御嬢様)は、都会で働いていたが突然仕事を辞めて郷
里である沖縄栗国島に戻るため、船中の人に。その連絡船を運転しているのが、
奈々子の幼馴染ケンジ(津波信一様)だった。が……しかし、その船にはもう
一人謎を秘めた老紳士が乗っていた……。

島に戻るや否や、祖母であるナビィ(平良とみ御嬢様!)、祖父である恵達
(登川誠仁様)が出迎えをしてくれたが、家に帰るまでの車中二人の男とすれ
ちがう………一人は、風来坊の福之助(村上淳様)、そして先程連絡船に乗っ
ていた老紳士サンラー(平良進様)だった………。

どうも、この老紳士サンラーが来てからナビィお婆の様子が変である……心配
した奈々子は、やがて60年前の悲劇を知ることになる………

壮大な時間軸と雄大な自然………そして狭い島の中で繰り広げられる愛憎劇。
と言えなくもないんですが、極力悲劇的な描写を避けて実に楽しく………時に
は脱力感溢れるような描写で綴っている為、観ているほうは安心して楽しめます。

ですが………ぼくに取っては、冒頭からホントに滂沱の涙状態………(T_T)

冒頭では船の描写があるのですが、マイケル・ナイマン様のピアノスコア「RAF
TI」と共に海に囲まれた島が映し出されたところから「大河浪漫のツボ」押え
まくり状態………画面から匂うんですよ(T_T)

ナビィお婆がかつての恋人サンラーと交わした約束を信じて待っていたことも
勿論なのですが、さりげない描写の中にも「女」が実にキメ細やかに描き込ま
れていて、ホント………いじらしくて泣けてくるんです。
それを包み込むような、夫、恵達様の描写が最高!「愛」に溢れています。

しかも、絶品なのが随所に織り込まれる回想フィルム………(涙)

それと平行するかの様に奈々子とケンジ………そして福之助の描写が対比を為
しておりますが、主軸はあくまで、ナビィお婆と恵達、そしてサンラーの関係
なんですね。

随所に織り込まれる沖縄島唄を初め(超大物がズラリ………故、嘉手苅林昌様、
大城美佐子様、山里勇吉様と沖縄島唄の世界には疎いぼくですら知っている)
オペラ歌手の兼島麗子様、そして稀代の天才フィドラー、アシュレイ・マック
アイザック様までもが……(驚愕)

それらの唄と「舞ひ」が随所に織り込まれていまして、第一級の印度産マサラ
・ムービーと同じで「唄に意味がある」んです!

色々なことが起きて……でも、最後は島を映して終わる……何事も起こらなか
ったかの様に……

拙い筆力では、上手く伝わらないのがもどかしいのですが、これこそ「極私的
大河浪漫」の名作と言い切ってしまいます!

最後に一つ、三味線を持った登川誠仁様が放つ「色」と「艶」(*^_^*)(ポッ)
もう……好きにして!って感じてしまったのですね。演技初体験と言うこと
ですが実に「華」があります。\(^0^)/

『双生児』を抜いて、本年度邦画ベスト1はこれに決まりです。\(^0^)/

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(12月8日テアトル新宿にて鑑賞)

BGM:OST:『ナヴィの恋』より『十九の春』(じゅぐりぁ小唄)

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