(聴)『ノーボディ・リスンド』

「良心」の自由をはじめ、言論、信条、宗教等の自由は、近代法概念上最も貴く、
またそれ故に最も守り難い個所ですが………出国の自由迄キューバで制限されて
いたとは知らなかった………。m(__)m

この映画は、ドキュメンタリーでして「映画」としてよりも、ニュー・ジャー
ナリズムとしての方向性で捉えた方が解りやすい気が致します。

監督は二人居りまして、撮影監督としては20世紀最高の一人であるネストル・
アルメンドロス様とキューバ出身のホルヘ・ウリャ様なんですね。

このホルヘ・ウリャ監督が、キューバ当局に撮影許可を求めるところから映画
は始まります。

ところが………何しろ監督のホルヘ・ウリャ様をも含めた亡命者が何故出るの
か?についての映画なもので、撮影許可が下りる訳が無く………
映画は亡命者達のインタビューで構成するしか無いのですが、これが異常な迄
の迫力に満ちているんですね。

米国の支援を受けた独裁政権パディスタが追放されて、革命を起こし、後釜に
座ったのがフェデル・カストロなんですが………(--;)としか言い様がない横暴
ぶりを描き出しております。

ホントにチェ・ゲバラ様も良いときに死んだ(暗殺ですが)と思いますよ。
死人に口無しで、黄金期に亡くなった方は絶対に悪口を言われる怖れはないで
すから………。

このインタビュー集で圧巻なのは、キューバ共産党の支持者ですら、亡命せざ
るを得なかった事実でして、カストロに御注進をした為に7日後に「行方不明」
になった軍人の話とか………尽きることがありません。(^^ゞ

民主政権になったら………今度は自分が追われる番に為るのが判っているから、
汲々として政権の座を守り続けているカリスマ指導者ですが、次はどうなるこ
とやら………。

ただ、一つだけ申し添えておけば、世界中の独立国の約9割が、大なり小なり
この様な体制であることなんですよ。鎖国国家北朝鮮もそうですし、韓国も大
分緩んできたとは言え、そうした名残が未だ残っておりますし、台湾も国民党
支配が長く続いてきた歴史を抱えております。数年前台湾の国会で大乱闘があ
ったと言うニュースを見て、デモクラシーもようやく成熟したなぁ\(^0^)/
と喜んでおりましたが。そう………国会が荒れるのは健全なる証拠(^^ゞ
全会一致の先に独裁アリ………と関係無い話題まで話しが飛びそうなので、
本日はこの位で(^^)/~

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(11月20日 ラテンアメリカ・スタディーズ 草月ホールにて鑑賞)

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