(夢)『遠い空の向こうに』

1957年10月4日、ソ連によって人類初の人工衛星スプートニクが打ち上げられた
日までは、ホーマー・ヒックマン(ジェイク・ジェラルハン)も自分がみなと違
うとは思っていなかった。ウエスト・ヴァージニア州のコールウッドでは、炭
坑町だった為、学校を出ると通常は炭坑夫となるか?或いはアメリカン・フッ
トボールの選手となって、大学行きの奨学金を貰うしか、この町を出る手段は
なかった。が……しかし、夢は大きく持たねば……とホーマー君は仲間四人で
ロケット製作に勤しみ、女教師であるライリー様(ローラ・ダーン御嬢様)の
助けを得て、実験を続けていくのですが……唯一、理解を示そうとしないのが
父(クリス・クーパー様)だった……。

とても丁寧に作られているし、「実話」とは思えぬほど感動出来ます。自分の
主観を抜きにすれば「傑作」と言って良い出来栄えだと思いますし、推薦も致
します……m(__)m

『ロケッティア』を初め「SF者」のジョー・ジョンストン監督の熱意が十分
に伝わってきて割と好きな部類なのですが、「欠点」が無いのが玉にキズと言
う奴でして……ハイ。

実話と言うこともあるのでしょうが……「立志伝」は大いに結構……ですが、
自分としては「やりたいことをやって成功するパターン」を入れるのだったら、
「途中挫折組」の苦労を何故入れなかったのかなぁ?って思うんですね。

変なたとえになりますが……『フィールド・オブ・ドリームズ』で言えば、ケ
ビン・コスナーの話しには殆ど感動出来なかったのです。それは、何故か?と
言えば「彼がやりたい放題にやっているから」なのですね………ホーマー君の
場合、ちゃんと親が倒れたら炭坑にも勤めるし中々見上げた根性なのですが……
「初志貫徹」は変わらないんですよ。もう一人炭坑に入った仲間が居て、彼は
彼なりに「ムーンライト・グラハム」の様に別な道を進むのでも良いかなぁ?
と思ったりもしたのですが、父親がそうした役割を背負っているのでしょうね
ぇ……(と、言う塩梅に崩し様が無いのです)(^^ゞ

ただ……「実話」であるのは良いのですが……もし、仲間の四人の内一人でも
ヤク中になって、野垂れ死にしていたらこの企画アリかなぁ……とか感じてし
まうのは間違いの無いところでして、傷の無い「アメリカン・ドリーム」に打
ってつけの企画……日本だったら「文部省特選」間違い無しと言う健全すぎる
ところが鼻につくのです……m(__)m

先入観無しでビデオで借りたら「予想以上に良かった」と感じる類の映画ですね。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年3月1日 日比谷シャンテシネ1にて鑑賞)

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