(海)『オープン・ウォーター』

やっとの休暇を取って、ダイビングを楽しむスーザン(ブランチャード・ライアン御嬢様)と
その夫ダニエル(ダニエル・トラヴィスさま)夫婦水入らずでこの貴重なひとときを満喫する。

しかし、ダニエルがウツボに見入っている間、海上のボートでは、今、まさに彼らが体験する
最も怖い悲劇の序章が始まっていた。何と!二人が満足して海面にあがってきた時、既にスタ
ッフの単純なミスで全員が乗ったと思い込み、ボートは彼らを残して岸に向かって去っていた
のでありました……。<(゚ロ゚;)>ノォオオオオオ!!

まず何と申しましても、79分と言う上映時間は貴重です。監督・脚本・編集を一人で手掛け
たクリス・ケンティスさまは、休日&余暇を利用して3年間掛けてこの映画を作り、サンダン
ス映画祭で大好評を得た次第。何だかピーター・ジャクソン監督の初期を思い出させるエピソ
ードであります。

実に感心したのは、海水の描写ですねぇ。自分の場合「淡水系」マニアなんで、海水となると
ちょっと弱いのですが、海面に揺れる水……水面から見たときからの海の様子。ダイビング中
の水……これらを全て描き分けることに成功しております。
水の描写って簡単な様でいて難しいところでして、どうしても「同一」に見えてしまうんです
が、実際に「海」で撮影し……撮影期間もバラバラだったことが、様々な「水」の表現を映し
出す事に成功していると考えております。
実際問題、透明度の高い海面だと、下を覗くと怖いですよ……(((キ゚Д゚)))) ガクガクブルブル

もう一つの恐怖が、海上で取り残される恐怖……熱帯の海とは言え、海水温度は体温よりも
低く低体温症を招き、次いでは脱水症状……脚の痙攣……と様々な死の要因が取り囲んで
おります。そして……海洋危険生物の存在。
海月(クラゲ)に、オニカマス(ダイバーに取ってはサメよりも恐れられているバラクーダ)
そしてサメ。映画の撮影ではオグロメジロザメを使って撮影したとの事ですが
(HP サメの
海http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/4515/参照)
実際には、もう少し獰猛なイタ
チザメとか……アオザメに襲われたのでは?と言う推測も成り立つ訳で……。
で……現在も、この二人は行方不明と言う事実があるだけなんです。

余談ですが、生きている人間をサメが襲うと言うケースは、余り無く、大概は溺死した死体
を食べていたとか……サーフ・ボードでパドリングしている最中を大好物の「ウミガメ」と間
違えて襲うと言うケースが殆ど。
只、今回の映画の参考にしたであろうインディアナポリス号沈没の時の悲劇の様に、最初は
好奇心でサメが寄って来て……と言うケースを今回は想定して作っている模様です。

今回の様な「絶望的なケース」を除いては、サメに対しての「啓蒙映画」としての役割は、
十分に果たしていると考えております。

1.水面をむやみにバシャバシャと泡立てない
2.水中で生理出血や嘔吐をしない……したら、直ぐにその場から離れる
3.水中で出血したら、直ぐに止血する<これ地上でも基本(^^;
4.水中では団体行動を心がけ、群れから離れない
5.早朝や、夕暮れには海に入らない(サメは夜行性の動物なので)
6.水面が濁っている場所には近づかない

と……ザッと書き起こしてみると、こんな所でしょうか?

でも……実際に海上に取り残されたら、どうなるでしょうかねぇ。そのつもりで観てみる価値
はある一本だと思います。

「パニック映画友の会」大倉 里司
(2005年7月1日 ワーナー・マイカルシネマズ市川妙典にて鑑賞)

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