(家)『パリ、夜は眠らない。』

ちょっと前にも書いたかも知れないけれども、ぼくが住んでいる南行徳地区に
も「TUTAYA」がオープンして、中々のラインナップなのですが、アニメ&ファ
ミリー物の定番の他に、何故か多いのがゲイ物………今迄気が付かなかったん
だけど、『司祭』とか『カーテン・コール』と言う一般受けしそうなものから、
ゲイ&レズビアンフィルムフェスティヴァルで上映されたものまでかなり散ら
ばっている感じ。

てなことは………遠出してまで映画を観る気力が無い時期には、開き直って個
人的ゲイ・フィルム祭りでもやろうかな。と思った次第。

一本目に選んだのは、1990年制作ジェニー・リビングストン監督の『パリ、
夜は眠らない。』このタイトルを聞くと『ペダル・ドゥース』に描かれているよ
うな巴里のゲイ・タウンの話かなぁ……と思ったら大きな間違い。ニューヨーク
にある「ボール」と言うパーティに集ったドラッグ・クイーン達の姿を映した
ドキュメンタリーなのですが、これが良く出来ているんです。

NYのゲイの世界でも、当然のことながら「差別」と言う問題は、依然として
含有していて、やはり白人のゲイの方が優位なんですね。そうした社会に対して、
有色人種。アフリカ系アメリカ人、並びにヒスパニック系で、しかもドラッグ・
クイーンと言う言わば三重苦を背負った方々が、一晩の夢を求めようとして自前
のクラブを作ったのが発端。

登場人物の殆どは、家族から自分で見切りをつけたか、或いは追い出されたかと
言う過去を持った人ばかりでして、そうした訳なんで、当然のことながらコミュ
ニュティを形成する。

一族の長は、ファーザーならぬ、マザーなのが「らしい」ところなんですが、
そうした方々のインタビューを中心に纏めております。

しかし、やがて社会が形成されると「対抗意識」が段々と芽生えてくるんですね。
最初は小さな共同体だったのが………派閥が出来て「○○○のクラブには行かな
いわ」となったり、クラブで着飾る為に盗みを働いたりと言った弊害も同時に映
しているのが流石です。でも、そうした「家」を出てしまうと周囲からの迫害の
目やら、場合によっては殺されたりもしたりする………この撮影中にも一人の
御嬢様が行きずりの男に安ホテルで首を絞められて殺されていたりと言う現実が
ある。

そして、2年と言う短い時間のなかでも「ボール」は次々と流転してゆくのです。
このフィルムの中での見所は、なんと言っても出演者の華麗なる衣装なんですね。
圧倒的に女装が多いのですが………中には、星条旗で身を包み、それを落とすと
軍装だった………(^^;;って方も居るんですね。
ぼくとしては、レザー系マッチョな男性の方が好みですが、違った世界を見るの
もまた一興かなと思った次第なのでした。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年1月19日 ビデオにて鑑賞)

BGM:E-MALE『Let's Dance』

「は」行で、はじまる映画の感想に戻る

ゲイ&レズビアン関連映画コーナーに行く

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送