(地)『ペイ・フォワード〜可能の王国』

ネバダ州ラスヴェガスに住んでいる、中学一年生のトレバーくん(ハーレイ・
ジョエル・オスメント君)は、社会科の教師シモネット先生(ケビン・スペイ
シーさま)から次の課題を出される………。

「自分の手で世界を変えること」

トレバーの母親、アーリーン(ヘレン・ハント様)は、強度のアルコール依存症。
酒を呑まずにはやっていられない生活。夫は、どこかに行ったきり戻ってくる
様子もない。

世界を変えたいと願ったトレバー君は、シモネットの与えた課題に真剣に取り
組んだ。そして考えついたのが「ペイ・フォワード」−受けた厚意をその相手
に返すのではなく、他の3人に善意を先贈りすることだった……

トレバーは教室でアイデアを発表するとともに、実行に移した。真っ先に候補
に挙がったのはゴミを漁っていた浮浪者ジェシー(ジム・カヴィーゼルさま
(*^_^*)(ポッ)(目が高い!と誉めておこう!)そして、障害者の為、トレバー
君の白羽の矢が立ったのが♪一人暮らしのシモネット先生。そしていつも苛め
られている同級生へとトレバー君は働きかけていくが……


(笑撃のラストにいきなり言及してます)(^^ゞ














原作がどうなっているのか、未読なんですが……ミミ・レーダー監督の感性っ
て物足りないところはあるけど、妙に自分と合うところがあるんです。

それは、敢えて(笑撃)と書きましたけど、笑いませんか?伏線はあるけど……
第三の約束通りに行動したら、いきなり刺されてあの世行き(^^)/~
でも……妙に好きなんですよ。この暗さが(笑)
ブスリと刺されて、病院に……あれれれっと泣き崩れる二人。ここで終りにし
ておけば80点あげます(^^)
ただ……ホント、この人の悪いところでして、これじゃマズイと言うことで無
理に感動路線にしようとしているから呆れるんですが……(--;)
『ディープ・インパクト』でも、宇宙船云々が失敗していれば文句なしに大好
きなんですがねぇ……(--;)

だから、刺されてオシマイで良かったのです。もう少し注文を付けるのならば、
「善意のネズミ講」(笑)の歯車がどこかで狂って「不幸の連鎖」になり、トレ
バー邸が町中の人々に恨まれ猛火に包まれる展開だったら文句無しに100点!\(^0^)/

全体を見ていて思うことなんですが「時制」の使い方が気に為らないのは上手
いなぁ……と思うんですね。最初は何じゃ4ヶ月前って言うのは!と、思いま
したが収斂されていく手法は面白いし、評価できる点でしょう。

ただ……通して観ると「長編」を観たという気がしない。「連作短編集を読ん
だ」気になるんです。部分部分は良いけれども、ピシッと一本に纏まらない。
アーリーンの母にアンジー・ディキンソンさまを出して、再会シーンとか……
シモネットとアーリーンの中年男女の綴れ織りなんかはそれだけでも一本の
「長編」になりそうなんですが……「ペイ・フォワード」と言う概念を入れて
しまった為にぶち壊しになっているのですねぇ。

ちょっと個人的な話になりますが……トレバー君が、何故他人様の事ばかり干
渉するのか?が非常に良く判るのでして、家庭環境が落ちつかないと、自分も
そうですが……「人のやること」が気になって気になって仕方が無い。その癖、
肝心要なところは欠落しているのは自分も彼も同じ。
「余裕」が無いんですよ……ですから、シモネット先生を理想化し……意に添
わないと切り捨てる心情は良く判ります。

その意味で非常に上手い演技なんですが……ハッキリ言って鼻に付く!
「人の振り見てわが振り直せ」と言う諺がありますが、他人からこう見られて
いるんだなぁ……と我が身を振り返りショックでした(笑)

「他人のことが気に為らない人」が羨ましくもあり、反面「おめでたい人だなぁ」
と嫌悪しながら何とか現在に至っていますし、直すつもりもありません。(爆)

そうした「殻」を作って生きてきたのが、シモネット先生でして「逆差別」使い
まくりモードには拍手喝采\(^0^)/\(^0^)/\(^0^)/\(^0^)/\(^0^)/
映画の最後のほうで、トレーバー君がインタビューでシモネット先生に当て付
け発言をしていますが、何故あそこで刺さない!(笑)
自分だったら刺されても文句は言いませんよ……良く刺した!(^o^)と刺した人
を誉めてあげます。(半分本気)

まあ……こうした矛盾だらけの人間ですから、当然視点も異なるわけで本題に入
ります。(^^ゞ

この映画のテーマとは?なんですが……「地縁」を基礎にしたアメリカ文化だ
と感じたのですね。『アメリカン・ビューティ』と音楽も似ているし、ケビン
・スペイシーさまだし……と言うことで『アメリカン・ビューティ』の陰画に
見えて仕方無かったのです。(笑)

『アメリカン・ビューティ』の場合は、「自己達成」では無いですか……それと、
ピューリタニズムと同居する「セクシャル」な部分。ところが……今回はと言え
ば、「慈善精神」なんです。つまりは「建前」の部分。最終的には他者に廻した
「恩寵」により「地縁のメカニズム」が機能し「神の見えざる手」によって「最
大多数の最大幸福」が実現されるというアダム・スミス先生とウェーバー先生を
足して二で割ったような我田引水の屁理屈(^^ゞ

今回は、ジム・カヴィーゼルさまのことを書く暇が無かったなぁ……。オスメン
ト君の嫌味な芝居を除いては、演技陣は素晴らしいと言っておきましょう(^^)/~

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2001年3月16日 ワーナーマイカル・シネマズ 市川妙典スクリーン9にて鑑賞)

参考『アメリカン・ビューティ』の感想

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