(姐)『ペルディータ』

この冬、一番正月映画らしくない一本を観て参りました。(笑)

主演がロージ・ペレス御嬢様と『ライブ・フレッシュ』の刑事役が良かったハ
ビエル・バルデム様………監督がアレックス・デ・ラ・イグレシア『ビースト・
獣の日』の監督さんね………これを正月にぶつけよう!と言うその心意気を買い
ます!\(^0^)/

物語の方ですが、『ワイルド・アット・ハート』でイザベラ・ロッセリーニ御
嬢様が演じていたペルディータ・ドゥランゴ。彼女のキャラを気に入った原作
者が彼女を主人公にして一本の小説を書いて、それが原作となっているので、
在って無きが如く………メキシコとアメリカ国境の町でペルディータ・ドゥラ
ンゴとロメオ・ドロローサは宿命の出会いをする。ロメオは銀行強盗はするわ、サン
タリアの儀式をして生計を立てているが、ペルディータは、白人のカップルを
誘拐し、彼等の生け贄ショーをすれば良いのでは?とロメオに持ち掛ける。
一方、ギャングのボス、サントスは、化粧品の材料である胎児の輸送をロメオ
に持ち掛ける………報奨金は2万ドル。

そして……ロメオを執拗に追うDEA(麻薬取締局)のウッディ・デュマス
(ジェームズ・ガンドルフィーニ様)の出現によって、ペルディータとロメオ
は誘拐した二人のカップルと共にラスベガスまで胎児輸送の旅に出なくては為
らない羽目になる………

久々に「毒」が強い映画を観たなぁ\(^0^)/と言う気分。

メキシコの胡散臭さと情熱さ、貧困を全てひっくるめ…白人カップルの50年的
「阿呆らしさ」と対比させることにより、「偽善」なり「建前」に対する挑戦
の雨あられ状態。

描写が凄いんですよ………オープニングタイトルでいきなり胎児の瓶詰めは出
てくるし、逃げようとしたカップルの女の方をヒールで手を踏みつけるわ。
撃たれた仲間をトラックでご丁寧に足を轢いてしまうとか。実に痛快ですねぇ(^^)

配役も渋くて、捜査官にあのアレックス・コックス先生が……この人、刑事役を
やらせると嵌まるのが不思議。

そして……一番大事なことは「任侠」があることなんですね。「スジは通す」
と言う一線がギリギリのところでペルディータは持っていて、ロメオに対して
の愛を自覚する内にカップルの行方も気に掛けるようになってゆく描写が何と
もいじらしい。

だから……最初は何をやらかすか判らない怖さが薄れていって、段々と「良い女」
になってゆくのですが……ちょっと2時間6分は長いかなぁ……。

一時間三十分当たりに切れば、キレが良い傑作になったと思うのにそれが残念
なところではあります。

自称「カルト部屋御挨拶係」大倉 里司
(12月27日 シネアミューズWESTにて鑑賞)

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