(郵)『ポストマン』

本日、非常に遅まきながら、ケビン・コストナーの「オレ様映画」である
『ポストマン』を鑑賞致しました。


いやぁー。中々愛すべき「失敗作」ですよ。本当に………(^^;;
誤解の無い様に付け加えて置きますが、僕はこの映画が決して良く出来た
作品とは思わないのですが、決して嫌いな作品ではありません。







一番感心したのが、ケビン・コストナーはやっと、自分の「分」を知ったと言う
ことです。彼のデビュー当時、例えば『ファンダンゴ』の時の彼の眼と、『ワイ
アット・アープ』の時の眼を比べて頂ければ解りやすいのですが、彼の眼が
段々と悪相になっているのですねぇ………。それが、善人を演じてしまうと、
不釣り合いが出てしまうと言う感じがしていたものです。
ところが、歳を取って、皺が増えて行くのに比例して、彼の眼と顔全体の
バランスが丁度良く釣り合って来たなと言う印象を受けました。

キャラクターもそれに見合った、言わば山師的な存在であることが、この
映画を何とか「見せる」事に成功しております。

100パーセントの善人が居る訳では無く、また100パーセントの悪人が
最初から居る訳でもありません………。

この映画のテーマは、「希望」を託す事の素晴らしさを描いている所である
と感じるのですが、僕はちょっとヒネクレ者ですので、この映画を製作しよう
としたケビン・コストナーの揺れ動く「価値観」に大いに興味をそそられました。

と、言うのは、この映画の中で、唯一絶対的に価値を置いているのが、「合
衆国」の存在であるのですが、夢と希望の配達人である「ポストマン」の身を
守る為に、彼が妥協し、解散を決意したりもするのですが、行く先で「ポスト
マン」と言う象徴が囁かれると、比較的あっさりと「ポストマン」の象徴である
帽子を再び取る………。何か良いよね………。この変わり身の早さ。(^^)
凄〜く、親近感を覚えてしまうんですよ。ああそうだ、これならば俺でも出来
るかも………彼の回りには、そうした空気が流れております。

まあ、そうした極めて「好い加減」な男ですから、自分が言ったことが流布す
ると、う〜ん、困った。と悩んでしまう。でも元来がネアカな人の様ですから、
何日も布団を被った侭悩まない。そのくせ女が看病してくれるとなるとベット
から何日も出て来ない。(笑)好きだなぁ………こうした男。

まあ、そうした男を主人公にして居る訳ですから、「絶対的な何か」を持って
きても視点が揺れ動いてしまう訳で、最後の対決にしても、一体何故?と言う
部分が見えて来ないんですよね。

そうした「説明不足」の部分を補って余り有るのが、ケビン・コストナーのオレ
様演技!(^^)

だってねぇ。一通の封書を受け取る為に、あんな大袈裟な描写は入れない
でしょう。(笑)しかも、ラストシーンでそれが伏線で有った事には、手を叩いて
大喜びしましたねぇ。勿論、好きですよ。

「大河ロマンを愛する会」 大倉 里司(HCD05016@nifty-serve.or.jp)

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