(政)『パーフェクト・カップル』

どうも皆様、御無沙汰しておりました。大倉です。

最近、HPを作り、アクセス・カウンターの伸びに一喜一憂すると言う日々
を過ごしております。

東京都では、都知事戦が花盛り、銀座の街も選挙一色に(?)塗り潰され
ておりました。

支持者を増やすのは、政治家もHP製作者も同じ(……って凄い暴論の気
が(^^ゞ)

そんな時に観てきたのが、『パーフェクト・カップル』。原題は「PRIMARY
COLORS」まあ、民主党の予備選とでも言いましょうか?足の引っ張り
合いは、端から観ていても中々微笑ましいものがありますねぇ。(^^)

今回の映画は、明らかに米国民主党予備選の物語です。夫婦間の愛情
物語を期待してはいけません。と、言いながら、中々良く出来ているんで感
心しました。

ジョン・トラボルタ演じる、ジャックは某州の州知事。リベラルな政策を打ち
出すのですが、まあ、民主党の候補にありがちな「女癖が悪い」のが玉に
傷。(実に、共和党は隠すのが上手い)

エマ・トンプソン演じる妻のスーザンは、賢女を絵に描いた様な女。
良き妻であり、夫のジャックを心から信頼している様に見えますが、実は
夫の女癖の悪さをすこぶる気にしている様子。

ジャックはとある街で、高名な黒人指導者を祖父に持つ(マーティン・
ルーサー・キング師がモデルでしょう)ヘンリーを選挙スタッフとして、半ば
強引に陣営に引き入れる。

この映画は、エイドリアン・レスター演じる若き理想主義者ヘンリーと言う
青年の眼から観た選挙選の内幕を綴ってゆきます。

僕が感心したのは、実はその点でして、元からその陣営に属さず、ある
程度のキャリアを持った人間を中心に据えて、その人物を狂言回しにする
事に因って、知らず知らずの内に選挙戦の内幕が解ってくる面白さがあり
ます。

それと選挙スタッフとは言え、生身の人間です。色々と妨害、隠蔽工作も
進めなくてはなりません。そうした葛藤を実にスムーズに入り込ませ、映画
として厚みを持たせているんです。

厚みと言えば、他の配役も欠かす訳には参りません。
プアー・ホワイト(レッドネックとも言う、南部の貧しい白人層のこと)から
のし上がってきた選挙コンサルタントリチャード(ビリー・ボブ・ソーントン
様)の可笑しくて哀しいキャラクター。そして、「ゴミ掃除人」を自負する
レズビアンのリビー(キャシー・ベイツ様)のキャラクターも秀逸。

とりわけ、後半になると、リビーの視点とヘンリーの視点が交錯して、「政」
に携わる人間の哀しい性を浮かび上がらせることが出来ております。

知らず知らずの内に仮面を付けてゆき、それが自分の本当の顔だと思っ
てしまう習性。ラッキョウの皮を剥いても剥いても浮かび上がらない真実。

それでも、「権力」を得る為に舞台の上で仮面をつけていなくては為らない
んですね……。

「大河浪漫を愛する会」 大倉 里司(HCD05016@nifty.ne.jp)

(1999年3月31日 みゆき座にて鑑賞)

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