(謎)『プルーフ・オブ・ライフ』

テリー・ソーン(ラッセル・クロウさま)は、国際的な人質事件を専門に扱う英国
籍の会社に所属するプロの交渉人。会社の要請で南米の国テカラに飛んだ彼は、現
地にダムを建設中のアメリカ人技師ピーター(デイビッド・モース)が、反政府ゲリ
ラに誘拐された事件を扱うことになる。
だが………300万ドルの身代金交渉をすすめる前に、経営危機に陥ったピーター
の会社が経費節約の為、保険をキャンセルしていたことが発覚。ピーターの奥方の
アリス(メグ・ライアン様)はテリーを責めるが、彼は契約切れだからとさっさと本
国に戻ってしまう……これでは話が続かないので云々……。(爆)


だってそうなんですもの(笑)テリーが本国に戻って云々が抜けてしまっているんで
す。主役二人の都合で大幅に編集したと言う噂がありますが、セックスシーンだけ
では無い気が……。と、言いますのは、監督がティラー・ハックフォードさま、
そして脚本と製作総指揮を務めたのがトニー・ギルロイさまなんです。この二人は
『黙秘』以来のコンビでして、導入部をこんな穴の空いた設定にするとは考え難い
のですわ。その癖、デビッド・モースさまの誘拐→拉致→逃避行は矢鱈と丹念。
2時間15分の映画ですが、元々は3時間位あった気がするんですよ。

ハッキリ言ってこの映画のメグ・ライアンは不要です。(キッパリ)彼女よりも姉ジ
ャニス(パメラ・リードさま)を主体にして、何とか作れなかったでしょうか?
その位美味しいキャラなんですよ>姉
そして、キャスティングで言えば、テリーの同業者ディーノ(デビッド・カルーソ
ー)さま役には、メグ・ライアンの実の夫のデニス・クエイド兄いを据えたほうが、
よりスキャンダラスに(笑)、より綿密になった気がするんです。
ディーノ役だったら、クエイド兄いだったらピッタリ来るし……ラッセル・クロウ
さまの背後にクエイド兄いが居て「誤射シーン」でウケが取れたかも(^^ゞ

「誤射シーン」と書きましたが、軍事シーンは良く出来ているんです!反政府ゲリ
ラが「誘拐団化」しているし……政情不安定な地域の為、軍隊出動でも不思議では
ないところに舞台を張っているんで、納得して観ることが出来ます。
そして、この映画の冒頭では、ロシアが出てくるのでして、これが『黙秘』の現代
でのシーンの色使いなんですね。『ディアボロス〜悪魔の扉』では使っていなかっ
た手法なんで、ここで復活したのは喜ばしい限り。

何だかんだと言ってもそうした「リスクマネジメント」の本家は英国な訳でして、
そこに所属している非政府機関のプロが活躍するのも、個人的に「ツボ」(笑)
だってねぇ……「CIA」なり「KGB」出身の御約束の主人公が出てきた陰謀
小説は面白いと思ったためしが無いんです。それよりは「原子力委員会」とか、
「国務省の御役人」とか……「銀行家」+「ヴァチカン」なんかが出てくると燃え
るんでこうした設定は嬉しいですねぇ\(^0^)/

その交渉場面が「ホントに面白い」部分。身代金の値下げ交渉を進めていると言う
中々味わい深いシュチュエーションです。この映画で観るべきところは、主人公
二人の恋路なんかは期待しないで、そうした「細部」にこそ注意を払うと良いでし
ょう。

あと、最後のシーンの「謎」なんですが……何方か解ける方は居ますでしょうか?

それは、本編が終ったあとカメラがグングンと丘の上を離れていきますね。それだ
けならば、まあ他の監督でも行なう手法なんですが、ハックフォードおたくの自分
は違う見方をしていたのです。「丘」から離れていったカメラが街中を映し、そし
て市街地を通過し……「聖像がある別の丘の上」に……で此処で暗転したならば、
判ったのですよ……(そうして欲しかった!)

つまり、「こうした貧しい地域から犯罪は生まれる」それを『ブラッド・イン・ブ
ラッド・アウト』のラストに使われたイーストLAの空撮では、身の毛が逆立つ程
の素晴らしい効果を上げていたのに、今回は「聖像がある別の丘の上」を通り越し
て、山を越え、川を越え……雲を越えて……火山がありそうな雲の上で終っている
んです。

このシーンの謎は、終映後30分経っても解けませんでした………(涙)

「裁判映画友の会」広報担当 大倉 里司
(2001年3月30日 渋谷東急にて鑑賞)

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