(川)『リオ・エスコンディード』

「夫婦は他人のはじまり」と言う諺がありますが……夫婦関係と言うものは、
自分すらも愛し切れない自分にとっては夢のまた夢……夫婦生活の秘訣等判る
訳が無いんですが、妙にこれは嵌まってしまった……。

ヒロインのアナ(パオラ・クルム御嬢様)は、ビジネスマンの夫ルイス(パブ
ロ・セドロン様)の手紙を開封してしまう……すると、見も知らずの女から
「送金有り難う……この子も大きくなったわ……一枚絵を同封します……かしこ」
と言う内容だったんで、尋常では無くなったアナは、夫ルイスが別の家族を囲
っているのでは?と言う疑念を持ち……単身、手紙の宛先迄旅立ち……そこで
意外な過去を知ることになる……。

今回の東京国際映画祭で最も関心があったのは、シネマプリズムの中の小特集
である「ラテンアメリカ映画小特集」なんですが、上映作品5本全て観ました
けれども、これが一番好きな作品です。

ヒロインのアナが旅立って、アッサリと意外な真相を知ってしまうんです。
だから明かしてしまうと、その手紙を送ったのは施設の係員の女性で……その
子とは、夫の子供では無く……夫の兄の子供だったと言う設定。兄マルティン
は殺人罪を犯し、現在刑務所に入っている為に、弟であるルイスが送金してい
たと言う…仲睦まじい兄弟愛♪

此処から先が、単調ではあるんですが、非常に木目細やかに「男と女の絆」を
描いていてウマイんです!そして、義理の兄であるマルティンを演じたホアン
・パロミーノ様が男前!!!!!(*^_^*)(ポッ)

現題の「リオ・エスコンディード」とは、映画の中でも描かれていますが「隠
された川」と言う意味。雨季になると木々に覆われて見えなくなる川………

マルティンと出会って、何か心乱されてしまったアナ……その描写が良いんです。
隠れていた水流が堰を切って溢れ出すような豊かな感情を秘めた顔が拝めただけ
でも素晴らしい。話としては、「何処にでもある話」なんですが……何でしょう
ねぇ……普遍性がある良い映画です。

誉めてばかりだと何なんで、欠点も少々……この映画を含めて今回の映画祭で思
ったことなんですが「回想シーン」を割り込ませ、そして切り替わらせるのが如
何に難しいことか?と思いましたね。この映画の欠点はそこにあるんです。まあ、
大きな疵にはなっていないけれども、「あれっ?」と出だしで興を殺がれてしま
うのが難点。

撮影を含めてなんですが、南米の映画と言うよりも、ヨーロッパの映画……ヒロ
インのアナを演じたパリオ・クルム御嬢様がジェニファー・コネリー御嬢様を一
寸老けさせた様な容貌でして、外は雷雨……オフィスにて手紙を開くシーンなん
かは、ダリオ・アルジェント師匠の『フェノミナ』を思い出しました……(^^ゞ

日本公開は定かでは無いんですが……女性の方に安心して御勧め出来る一本です。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年11月31日 東京国際映画祭 シネマプリズムにて鑑賞 渋東シネタワー3)

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