(欲)『ルート9』

出演カイル・マクラクラン、ピーター・コヨーテで、監督が『レッサー・エヴ
ィル』のデビッド・マッケイ………と為れば、レイト扱いで公開出来るのに……
と思ったのですが、これはビデオにして売った方が正解の映画。

内容が詰まらないと言う訳では無く(つまらなさで言えば『黒い家』が最悪の出来)
劇場公開しても当らないだろうな………と言うのが最大の要因と、「東京ファ
ンタ上映作品」にしておいて、一般未公開扱いの方が有難味が出るし、逆に「隠
れた傑作」として売るには良いのではと思ったのですね。

物語の方は、ルート9沿いの小さな町で麻薬取引が行われ、売り手と買い手の
両方が撃ち合いになり6人が死亡。別件でパトロールをしていたブース(カイル・
マクラレラン様)とアール(ウェイド・アンドリュー・ウィリアムス様)の二人
が第一発見者と為る………。
現場検証の為、トランクを開けると麻薬の代価150万ドルが有った………。
借金に苦しむアールは、嫌がるブースを説得し、残金を元に戻し横領する計画
を立てた………が、死んだと思った一人が生きていた為に、二人は計画発覚を
怖れ生き残っていたデニングを窒息死させ、残金をせしめることに成功するが………

『レッサー・エヴィル』の時にも感じたことなのですが、このデビット・マッ
ケイは、実に良く出来た話しを展開させるのですが、その割には画面に重みが
無いと言う欠点を持っておりまして、今回も例外では無いのです。

「犯罪映画」としての定石は踏んでいて、大きな矛盾は感じないのですが……
広がりも奥行きも無いんですね。金が転がり込んだことに因って大いなる悲劇
の幕が切って落とされるのでしたら、『シンプルプラン』が正に絶品の味わい
でしたが、比べる気は無くても比べてしまうのが悲しい性。

今回の映画の魅力は、カイル・マクラレラン様とピータ・コヨーテ様の二人の
ベテラン俳優が、無名のウェイド・アンドリュー・ウィリアムス様を主演に据
えることに因って「胸を貸した」と言うのでしょうか?チャンスを与えたと言
う側面の方を買いたいですね。

この二人が、主演を張っていてこの内容ならば、もう少し映画の評価は辛口に
致しますが、二人の男気を感じますし、意外性は無いものの、劇中で『レッサ
ー・エヴィル』が放映されている遊び心を感じたので、少し評価は甘くしまし
たし、ビデオで見るならば時間とレンタル代の価値は十分にある作品だと思い
ます。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(第15回東京ファンタスティック映画祭にて鑑賞)

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