(美)『サンタ・サングレ〜聖なる血』

本日、大井武蔵野館にて、『死の王』と『サンタ・サングレ 聖なる血』を
鑑賞致しました。その内の『サンタ・サングレ 聖なる血』の感想です。

いやぁ。参った。もし、今年初上映された映画だったら、文句無しのベスト1
でしょう。これは、89年の映画なので、『ワイルド・パンチ』と並んで「別格」
のベスト1に致します。

本当に、こうした作品と巡り合えるから映画通いは止められない。(^^)
『ハート・オブ・ミッドナイト』と並んで、マイ・フェイバリット・カルト・
ムービーとなりそうです。(^^)(^^)(^^)

アレハンドロ・ホドロフスキー監督の作品は、恥ずかしながらこれが初見です。
でも、『サンタ・サングレ 聖なる血』が此れほどまでに嵌まるのならば、他の
『エル・トポ』、『ホーリー・マウンテン』も是非観てみたくなりました。m(__)m

特有の「美意識」が素晴らしい。とりわけ主人公のフェニックスの少年時代。
サーカスのゾウが死んだときから葬儀の場面までが圧巻。

白黒の星条旗に秘められた「悪意」。ゾウが大きな棺に乗せられて、目抜き
通りを横切り、棺桶を崖に面したスラム街に落とす。
白塗りのまるで「ゾンビ」めいた住人が肉を求めて群がる描写。素晴らしい。

畳み掛けるかの様にサーカスの団長である父は息子に鷲の刺青を施す。
「男に為る為だ」と父は言う。それを終えた後、聾唖者の少女と無言の交友
を果たす。

「鷲」が大きなモチーフとなっている。「翼」を持って羽ばたくことが出来る存在。

母親コンチャの存在。息子にとって大きな痛手を与えた母。

腕を切り取られた少女を「聖人」として崇拝し、毒々しい壁画を飾る教会の
取り壊し作業。狂っていると旧教の司教は呟く。これがまた墨西哥的いかが
わしさに満ちている。

随所に訳の分からない描写が含まれているが、それを凌駕しているのは
「愛」の存在。キャラクターの中の「愛」でもあり、映画そのものに対する愛も
また力強く伝わってくる。

「愛」は時折として人を縛り、また開放する役割を果たす………。

最後に自らの牢獄から開放されたフェニックス。待ち受けている物が「死」
であるかも知れないが、彼にとっては至福の時なのだ。

「大河ロマンを愛する会」 大倉 里司(HCD05016@nifty-serve.or.jp)

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