(魂)『セブン・イヤーズ・イン・チベット』

97年の東京国際映画祭、クロージング作品でした。
結論から言いましょう。クロージングに相応しい、品格のある優れた映画です。
今回観た作品の中で一番好きかもしれません。
少なくとも去年観た『評決のとき』のようなクズ映画に比べたら、月とスッポン
の差はあるでしょう。(暴言モード)

この映画の舞台挨拶ですが、僕が非常に敬愛しているMAKO様が日本語で
挨拶されたのには本当に感動しました。(^^)(^^)(^^)(^^)
彼こそがアメリカにおける日系人俳優の中興の祖であり、ジョン・ローンも
彼が主催する『イースト・ミーツ・ウエスト』を経てきて世の中に出てきた俳優です。

この映画から受ける印象は、非常に『ラスト・エンペラー』の溥儀の少年時代と
重なる部分があります。

中でも感動したのが、オルゴールの使い方。『ミュージック・ボックス』のオルゴー
ルの使い方をも凌ぐ上手い使い方をしております。
デビット・シューリス様の時計の使い方と良い、見事に「大河ロマン」に相応しい
「品格」と「愛」がある小道具の使い方ですね。(^^)

あとはブラッド・ピットが奇麗な役にも係わらず傑作に撮れていることに驚きま
した。この人は汚い役をやらせた方が映画としてずっと面白いものになると言う
変なジンクスがあるのです。

ただ不満を言えばD・Bウォン演じた国務大臣、ンガワン・ジグメのキャラクター
が祖国を裏切った男なのか?それとも止むに止まれず停戦に応じた人間なの
か?がハッキリしていない点です。
実在の人物ですから、資料を調べれば分かるのですが、彼の「苦悩」と政治家
としての「判断」を描いて欲しかった点が挙げられます。

それにしても、此れほどまでに中共軍(人民軍)が悪しき様として描かれたこと
に拍手を贈りたいですね。

「宗教は阿片である」とはカール・マルクスの言でありましたが、だからと言って
砂の曼荼羅を足で踏みつけるような「外道」の顔を見たくありませんから。
このシーンですが人間として「殺意」を感じてしまった程です。

宗教も、共産主義も始まりは人間愛から生まれたものだと僕は信じております。
それを土足で踏みにじるような方のことを、僕は憎み軽蔑しております。

『大河ロマンを愛する会』 大倉 里司(HCD05016@nifty-serve.or.jp)

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