(華)『恋に落ちたシェイクスピア』

皆様、御機嫌如何でせふか……わたくし、マダム・DEEPで御座ひます。

先日、東武美術館に立ち寄り、五月三十日迄開催予定の「歌舞伎絵展」
を鑑賞したあと、『恋に落ちたシェイクスピア』を鑑賞致しましたのよ……
(につこり)

誠に持ちまして素晴らしひ映画でせふ。(陶酔)

エリザベス朝末期のロンドンにて、史上最大且つ最高の劇作家の一人
でゐらつしゃるウィリアム・シェイクスピア様が奥方を持ちながら、不倫の
恋に落ちてしまつた……

この映画は、西洋文学史上誠に変わつた作品である『ロミオとジュリエット』
が何故生まれたのかとやふ創作の秘密に迫る作品でせふ。

とやふのは、西洋史におきましては、中世から近世に掛けて「騎士道」の
精神が色濃く残つてゐて、西洋文学史に残る恋愛作品は、殆どが人妻と
殿方とやふパターンを踏んでおりますの……ところが、『ロミオとジュリエット』
の場合、全くそれに該当しなひとやふ希有な作品で御座ひます。

欠点は御座ひます……最大の欠点と言へば、若き日のシェイクスピア様
(ジョセフ・ファインズ様、レイフ様の弟君)が恋に落ちるヴァイオラ御嬢様
(グウィネス・パルトロウ御嬢様)の婚約者として登場するウェセックス卿
(愛しのコリン・ファース様(*^_^*)(ポッ))のキャラクタアに深みが感じられ
無ひことでせふ。

但し、欠点はこれだけで御座ひまして……当時の花形役者ネッド・アレン
様(ベン・アフレック様)はあたかも、ティッアーノの絵から抜け出して来た
かのやふな、凛々しひ殿方でせふし……今迄彼が演じてきた役柄の中で
はベストなのでは無ひでせふか?(*^_^*)(ポッ)

ジョセフ・ファインズ様が演じなされたシェイクスピア様も男前でせふし、
彼の好敵手のマーロー様(ルパート・エヴェレット様)も相変わらずの美
しさ……(*^_^*)(ポッ)

御婦人で申しますと、ヴァイオラを御演じになられたグウィネス・パルトロウ様
の金色に輝く髪はボッテチェリの筆から生まれたやふな輝き……(うつとり)

それに、エリザベス一世を御演じになられました、ジュディ・デンチ様の迫力
は流石でせふ(*^_^*)(ポッ)

殊に、ウェセックス卿とヴァイオラ御嬢様と宮中で接見する時の衣装の凄さ
は半端では御座ひません。鯨骨で形取られたドレスで或るが故に、御言葉
を発せられても、衣服が動かなひやふに出来てゐるその仕立ては、「権威」
なり、「建前」を重んじたエリザベス一世の生き方その侭でせふ……
(ですので……わたくしは、エリザベス一世は、嫌ひなのでせふ)

最後に、彼女により「建前」を揶揄するところが御座ひますが……中々凝つ
た趣向ですわね。(毒)

そして、この映画の魅力は……何と申しましても、「舞台」を「映画」として、
再構成し直した処でせふ……。さふした意味でケネス・ブラナー様の『世にも
憂鬱なハムレットたち』以来のバックステエジ物の傑作とわたくしは「確信」
致しますのよ……。

吃りの仕立て屋が、口上を述べ……やはり、吃つてしまひますの……
ただ、「舞台」の持つ「力」……人から見られてゐるとやふ「期待性」故に
実生活では吃つてゐても、すらすらと口上を述べる処から、紛れも無ひ
「光」と「愛」が画面を覆ひ尽くし、わたくしはこの上なひ喜びを味わふので
せふ。

舞台の上での「役者」が映画の中とは言へ、如何に輝ひて見へることか……
「映画」とやふ「虚実」入り交じつた世界で「舞台」を見せやふとした試み。
ジョン・タトゥーロ様と方法論は違ふものの、相通じるものは「愛」でせふ。

とやふ訳で、アカデミイ賞受賞に相応しひ……久々に満足が行く一作で御座
ひました。

「裏社交界の徒花」 マダム・DEEP(HCD05016@nifty.ne.jp)
(5月8日 新宿文化シネマ1にて鑑賞)

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