(志)『シャンハイ・ヌーン』

時は1881年、米国は黄金景気に湧く西部開拓時代。支那(う〜む差別語)
の皇帝に遣える近衛兵のチョン・ウェン(ジャッキー・チェン様)は、紫禁城
から皇女ペペ姫(ルーシー・リュー御嬢様)が誘拐されたことを悔やみ、志願
して叔父と一緒に身代金を渡す任務に加わる。ところが……砂漠を列車で横断
中にロイ・オバロン(オーウェン・ウィルソン様)率いる強盗団に襲われ、叔
父を撃ち殺されてしまう。おまけに強盗団と戦う羽目になり仲間とはぐれてし
まう。ロイも仲間から間抜けなリーダーぶりをあきれられ、砂漠に首まで埋め
られてしまう……。果たして二人の運命や如何に……姫は救出出来るのか?

と書きましたが、言うまでもありません。ジャッキー・チェン様の映画です(^^;;
これで、3人とも非業の死を遂げたら……『ユージュアル・サスペクツ』や
『シックス・センス』等とは比較に為らない「大どんでん返し」と宣伝を打っ
ているでしょう。

ジャッキー・チェン様なんですが、ホント……引退してもおかしくないし、こ
れだけのコネクションがあれば、充分にプロデューサーだけで一大勢力を築け
る筈なのです。で……何故、自分で出演し続けるか?

この人ほど、「基本に忠実、且つ馬鹿正直」な映画人を他に知りません。比肩
するとすれば、ヘンリー・フォンダ様か、ジェイムズ・スチュワート様なので
すが……実は彼のルーツは、ちょっと違った所にあると自分は踏んでいます。

自分が観た限りでは、バスター・キートン様なんですわ。全部この人もアクション
は自分でこなしているんです。で……何本かサイレントの映画を観る機会があって、
ビックリ仰天!全部ジャッキー・チェンが踏襲している!

この脚本とこのアイディアですが……ハッキリ言えば時代遅れのものです。今時
西部劇は流行りませんし、深いメッセージ性がある訳でも無い……ですが、ジャ
ッキーが出演しているからこそ、客は「お馴染みのアクション」を求めて来る!
昔は。まるで新味が無いなぁ……この人の映画は。と馬鹿にしていた時分もあり
ました……が、彼が自分で身体を張って出演しなければ、「古き良き時代」の聖林
映画そのまま(^^;;は、廃れてしまうとジャッキーは考えているのだろう………と自分
は思っています。その意味で偉大な映画人なんです。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司

(2000年8月1日 日本教育会館一ツ橋ホールにて鑑賞

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