(欲)『フラミンゴの季節』

此処は、南米パタゴニア……。かなり風変わりな風土と動物が住む地。
また人間もささやかながら静かに暮らしておりました…はじまり…はじまり…

と、ちょっと茶化した書き方をしてしまいましたが……若き技師が橋の建設調査
の為此処に訪れるのですが……彼の願いとは反して彼の訪問は大いなる不信と…
疑惑を撒き散らしてゆくのでありました。

まず……登場する人物が凄い。13歳の少女のメイドであるファニータは、この
村以外の生活を知らず、母親の命により、主人バサンとの結婚を強いられる身。
技師マリオはフラミンゴが訪れる季節にこの村を訪れ……グロリアと言う人妻と
寝てしまう……。彼女に此処を出ないか?と誘っても此処を出る気配が無い……。
渓谷に大量の金が眠っていることを知り、インディオを殺して迄手に入れよう
とする街の実力者。そして……それに勘付き……それとなく警告する政治家……
また、彼はグロリアの愛人でもあった。そして……ゲイであるバサンの弟……。
彼もまた……マリオを好きに為りかけているのですが……(^^;;

何も無い静かな村の様でいて……マリオが訪れたことによって、人々の関係が
徐々に変わってゆくところは定番ですが面白いです。

こうした南米の田舎を舞台にした映画では、去年の東京国際映画祭で掛けられ
た『マラリア』がそうだったのですが……登場人物の移り変わりと良い、主人公
の行動が……村に入って……村を出てゆくだけに徹している為に、ぼくとしては
此方の方が好きですね。

監督がシーロ・カペラッリ様。アルゼンチンのパタゴニア地方の村出身である
そうで……これは退屈な村であっても、人々の欲望は果てることなく……一寸変
わった出来事があっても過ぎ去れば……また同じ日々が続くのだ……と言うこと
を語っている気が致します。

ただ……違うことが一つだけあったのですが……それは観てのお楽しみと言う
ことで。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司(HCD05016@nifty.ne.jp)
(6月24日 恵比寿ガーデンシネマ2にて鑑賞)

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