(政)『サウスパーク・無修正映画版』

此処はアメリカのホワイト・プアーの小さな街、サウスパーク。中々に可愛い
小学生の4人組は、カナダ出身の黒目のコメディアン、テレンス&フィリップ
のファンでありました。ただ……その芸が祟って、彼等の映画はR指定の扱い
を受け……御子様は保護者の同伴抜きでは入場不可。そこで……一計を案じ、
浮浪者を保護者に仕立てて映画館へ……♪彼等は……映画の中のネタを真似し
ているうちに……思わぬ惨劇を引き起こすことに。その惨劇の真相を映画のせ
いにしたPTAの抗議運動は、アメリカ全土を巻き込みやがてアメリカとカナ
ダの全面戦争を引き起こすのでした♪

うーん。観る時期を完璧に外してしまったなぁ……と言うのが正直な感想。
公開直後に観たらノリノリで書けたのでしょうが、最終回の御終いから2つ目
の回な為……上手いこと乗りきれなかったんです。

ミュージカル仕立てで、非常に計算されつくした映画なのですが、全部が全部
とは言わないまでも、この程度の風刺だったら他でもやっているなぁ……と感
じたんですわ。スケールは極めて小さくなるけれども、マイケル・レーマン監督
の衝撃のデビュー作『ヘザース』の方が、暴徒化するPTAを幾分かデフォルメ
しながらも……衝撃度は遥かに大きかったのですよ。

そして……アメリカの過激なピューリタニズム批判としては、フォルカー・シ
ュレンドルフ監督の『侍女の物語』の方が遥かに優れていたし……政治パロディ
として歌を使うのも結構良くある手なんですよね……。

何の先入観抜きで、パンと観たら「おおっ!」と素直に喜べたのでしょうが……
最終日だったのが「御縁がありませんでした……」って事になるんでしょうかねぇ。

かなり高度な技だとは思うんですが、下品な言葉遣いをしながら「話としてはマ
トモ過ぎた」のが乗れなかった最大の理由ではと思うんです。

実写で過激な描写の侭これを撮って、なお且つ感動させたら満点を挙げられますが……

自称「カルト部屋御挨拶係」大倉 里司
(2000年11月3日 シネアミューズ・EASTにて鑑賞)

BGM:Mike Oldfield『Tubular Bells』

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