(月)『スペース・カーボーイ』

時は、1958年……キューバ危機が起きる前、冷戦中のアメリカ。フランク
・コービンほか「チーム・ダイダロス」の4人はアメリカ空軍の優秀なテスト
パイロットだった。彼らは初の宇宙飛行士に選ばれるものだと信じていたのだ
が、何と!実際に宇宙へ飛んだのは一匹のチンパンジーだった。
そして40年後、現在はロシアと為った、旧ソ連の通信衛星が故障し、放って
おけば墜落するという事態に!が……コンピューター以前の代物の中古衛星を
修理できる技術を持っているのは、フランク・コービン博士(クリント・イー
ストウッド御大)ただ一人。彼は「チーム・ダイダロス」を復活させ、自分た
ちが宇宙に行って修理をするのでなければ、今も昔も仇敵のジェイムズ・クロ
ムウェル様演じた高官に何も手を貸さないと言放ち……ムッとしながらもお互
いの利害が一致して、取り引きが成立。かくして、それぞれの道を歩いていた、
すでに老境に達した4人が再集結し、宇宙を目指すのでありましたが……。

イーストウッド御大の映画話術には無駄というものがありません。前半の導入
部は、いつもながら見事な「匠の技」全開!特に主要登場人物の4人を掻き集
めるシーンは、凡庸な監督だったらこの二倍の時間を使わなくては描き切れな
いでしょう。

この時代は、宇宙開発がNASAでは無く、空軍によって行なわれていた時期なの
で、呼び名も全て当時の階級なんですねぇ……。フランクは大佐、操縦の名手
のホーク(トミー・リー・ジョーンズ様)も大佐。そして……お懐かしや!
今や……キーファーのお父さんと言う通り名の方が早いドナルド・サザーラン
ド御大がジェリー「大尉」(絶対に『M☆A☆S☆H』を意識しているぞ!(笑)
空軍からパブテストの牧師に転身したのがタンク(ジェイムズ・ガーナー様)
と70年代のキラ星スターが顔を揃えます……トミー・リー・ジョーンズ様も、
『ローリング・サンダー』、『ベッツィー』、『アイズ』の時は髪フサフサだ
ったんです(でも、この中では一番若い)この4人の顔触れだけでも満足なん
ですね。

一番凄かったのが、健康診断のシーン。これ……吹き替え無しでしょう。良く
サザーランド御大が脱いだなぁ(感心)肌はたるんで、くすみがありますが……
まあ、寝れないことはないな(^^ゞイーストウッド御大は、やはり鍛えてます
ねぇ……トミー・リー・ジョーンズ様は現役バリバリ(^^)ジェイムズ・ガー
ナー様は、御話だけで楽しみましょう……m(__)m

まあ……何だかんだと楽しく観れる本作ですが……後半部分はチョイと欲張り
過ぎたかなぁ?と思った次第でして……情報量が多すぎるんです。「こうなっ
たから……こうなる」的な部分が描き切れていない……大健闘なのは判るんで
すが、これはバランスが悪くなるなぁ……(--;)それはありますが……全般的に
観れば、水準以上の出来栄えでしょう。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年10月1日 丸の内ピカデリー1にて鑑賞)

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