(傷)『スティグマータ〜聖痕』

ピッツバーグでヘア・ドレッサーを生業とするフランキー・ペイジ(パトリシア
・アークェット御嬢様)は、入浴中に突然、原因不明のまま両腕の手首から流血
するというショッキングな体験をした。しかもそれは、連日のように襲いかかり、
彼女は自分を癲癇に繋ったのでは無いかと怖れはじめる……。
だが、地下鉄に乗っていたときに、また「現象」が起こり……一部始終を目撃
したダーニング神父(トーマス・コパシェ様)の通報により、ローマのバチカン
にも伝わり(流石は世界最大の諜報機関(^^;;)、バチカンは科学者でもある一
人の調査員アンドリュー神父(ガブリエル・バーン様)をフランキーの元へと派遣
した。アンドリューは元々研究者でして……ふとしたことで「神の存在」を感じる
理知論者。この調査を行う前は、聖者と崇められていたブラジルのアラメイダ
神父(ジャック・ドナー様)が他界した時からはじまった、聖母マリア像が目か
ら血を流していると言う調査を終えたばかりだった……。

幾つかの見方が出来る映画なんですが………基本的には「娯楽作品」なんです。
自分は基督教的神秘主義には、ちょっと理解が薄いのですが、これはやたらと
日本的怪談の味わいが致します。

或る一つの福音書を巡っての血で血を洗う抗争は、数々の小説のテーマに為っ
て参りましたが、これは比較的「マトモ」なところで落としているなぁ……と
思うんです。極論を吐いてしまえば、「ユダヤ教」>「基督教」>「イスラー
ム教」はそれぞれに「啓典宗教」であり、特に「キリスト」たる「イエス」の
言行には間違いがあっては為らないのでして、「俺はそんなこと言っていねーぞ」
と、イエスが蘇ってきて文句を言う話だと思えば判りやすいと思うんです。
(うむ、塩柱確定<自分)

で、何故「マトモ」かと言えば、これがバチカン上層部の法王をも巻き込んだ、
弾圧だったら有り得ないんですが……とある一人の某方の恥部に触れることに
為るからなんです。言うなれば「私怨」の部分。ここで押さえているんで、こ
れならば有るなぁ……と納得してしまったんですよね。

それはそうと………この映画で非常に面白いのが、ヴァティカン調査部(?)
の機構に関して、こうじゃないのか?と推測しているところ。重要書類はフラ
ンチェスコ会とドミニコ会とイエズス会の3派に訳させていて、全体像を掴ん
でいるのは、ほんの一握りだけ……と言うのには、妙に納得してしまいました。(^^ゞ

あと……調査部の神父が教会の司祭を兼任するのかなぁ……と言う疑問も無き
にしもあらずですから。(爆)ですが……司祭姿のガブリエル・バーン様は、
カソリックだけありまして、ツボを押さえていますねぇ……ところで、教区の
司祭とはこの映画に出演することを相談したのでしょうか?どーでも良いこと
ですが、妙に気に掛かります。(笑)

自称「カルト部屋御挨拶係」大倉 里司
(2000年5月10日 九段会館にて試写)

BGM:Enigma『The Voice Of Eniga』

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