(業)『砂の器』

旧国鉄蒲田操車場で起きた殺人事件は、容疑者は元より被害者の身元も不明のまま迷宮
入り必至と見られていた。警視庁の今西(丹波哲郎先生)と西蒲田署の吉村(森田健作
元センセイ)の両刑事は、蒲田のスナックで被害者が話していた「東北弁のカメダ」に
一縷の望みを託し、秋田県の亀田に飛ぶが、結果は空振りに終わった。しかし、捜査本
部解散後、被害者が岡山県在住の三木謙一(緒方拳御大)だと判明し、今西はその足取
りを追って出雲、さらに伊勢へと足を伸ばす。やがて三木に繋がる一人の男が浮上する。
それは、天才音楽家として脚光を浴びる和賀英良(加藤剛御大)だった。

言わずと知れた日本映画史上燦然と輝く名作の一つ。 ですが……恥ずかしながら劇場
で観るのはこれが初めてm(_)m
松竹+橋本プロ+俳優座がスクラムを組んで、実に丹念にそして端正に撮り上げており
文句の付けようがありません!そして……出演者が超、超ゴーカ絢爛!和賀の哀しき
愛人高木理恵子役で島田陽子さま。与党の大物政治家、田所重喜には佐分利信御大。
三木健一の親友、桐原小十郎には、笠智衆御大、そして……伊勢の映画館ひかり座の
支配人には渥美清御大とまぁ……並べていくだけでサア大変!重鎮、巨匠入り乱れる
中で事件は二転三転するのですが、これが実に丁寧且つ……一本の主軸がピシッと入っ
ているんで初めて御覧になる方でも、ラストは号泣の嵐♪<宿命♪

自分の場合には、映画の中で取上げたいシーンを中心に感想を纏めるのが常なんですが、
”あのシーン”を含めて、名シーンの連続なもので、どこから書こうか??と悩んでし
まうのが本音です。

この映画……観客にとって犯人は判り切っているんです。しかし、謎として残るのが
「何故、善人の鑑とも言える元巡査、三木謙一を殺害したのか?」これが、犯罪映画
史上空前の哀しい動機であり、しかもそれが「善意に因って引き起こされた悲劇」で
ある事が超重要な問題でして、「生身の人間が居るだけで邪魔になってしまう故の悲劇」
と置き換えても良いと考えております。

映画の中で効果的に使われる『宿命』と言うテーマ曲の作成段階と共に事件の真相が、
徐々に明らかになってゆき、コンサート会場、捜査一課の帳場、丹波先生の「語り」と
共に明らかになってゆく「過去の真実」の三者が、縦横斜と見事な悲劇のタペストリー
を織り上げていく様を黙って観てゆくしか無いんですねぇ……。

ビデオ等で2回ほど観てきましたが、やはり大画面だと訴えかける力が違います。
冬から春、春から夏への移り替わり、鯉のぼりのはためく姿の何とも哀しい事……(涙)
冬には白装束も綺麗だったのに、夏に変わり襤褸切れ同然へ……それでも……
そして……何とも皮肉な形で30年ぶりの再会を果たした本浦千代吉(加藤嘉先生)
の一言!もう……涙涙涙。そりゃぁ……丹波先生も帳場で涙しますよ。ええ!

もうこれは……実際に観て頂くしか無い不朽の名作!是非御覧下さい。m(_)m

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2005年6月23日 東劇にて鑑賞)

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