官)『突入せよ!「あさま山荘」事件』

1972年2月19日。日本TV放映史上最高の視聴率を稼ぎ、実質上、連合
赤軍最後の事件となった………あさま山荘事件の映画化です。
この事件に関しては、もう語る必要が無いでしょうが………興味の或る方に
お教えしますと、東京・京橋の警察資料館には、当時の楯(弾丸通過の跡あり)
とか………殉職した警察官の手帳などが展示されており、鬼畜度満点の自分で
すら退いてしまった程なんですよん。

さて………実話の映画化とは難しいものですが、これは物量に頼り過ぎた失敗作
でしょう。
監督&脚本を担当した原田 眞人監督は、作品の出来不出来が異常に激しい人で
すが………今回は「役者の使い方」で失敗しているんです。
何故かと言えば、役所 広司さまを当時警察庁・警備局付監察官(警視正……
このポストになると県警本部長&大都市の警察署長クラス{池袋、新宿等}に
しか適用されないエリート中のエリートなんですねぇ。)に背負わせてしまっ
ている事に尽きます。役所 広司さまは決して嫌いな役者ではありませんが、
この人が原田監督の元で主役になると………もうイケマセン。まるで仲代 達也
化現象を起こしてしまうんです。(--;)

役所 広司さまは、アクが弱そうに見えて実は強いんです。原田監督の元でも
『バウンス・koギャル』のように脇に廻ってサポートするならば、実に良い感じ
の使い方になるんですが、今回は完璧に「いけませんねぇ………」
普段は押えているんでしょうが、原田監督のミッチリしたミーティングで、悪い
ところが全部噴出してしまうと申しますか………クドイんですわ。
師であった仲代 達也さまと同じ傾向の出し方をしてしまうんです。

役者さんの悪口大会になってしまって申し訳無いのですが、実にゴーカな出演陣
なんです。ところが………全然持ち味を生かしていないんですねぇ。
まるで書割そのままの薄っぺらな紙芝居を見ているかの様。
何でこれだけの役者を揃えながらも、まるでキャラが立っていないのか?
悪評渦巻いた『ホワイト・アウト』の方がずっとスッキリした展開なんです。

あと、兎に角エリート街道まっしぐらの人々の抗争劇なんで全然ピンと来なかっ
たのは紛れも無い事実。自宅に帰るなり、奥様に足をお湯に漬けさせて貰う……
それを当たり前の事だと思っているんですねぇ………この人。(--;)
自分でやれよ………とマジで怒ってしまいました。

役者の持ち味を最大限に生かし切った『光の雨』とは比較に為らぬ酷さです。

初代「大河浪漫を愛する会」大倉 里司

(2002年5月15日 丸の内東映にて鑑賞)

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