(技)『フライト・オブ・フェニックス』

それは、何でもないフライトの筈だった……。
世界一過酷な環境の一つ……此処はゴビ砂漠のど真ん中にある閉鎖
された石油採掘所のスタッフと廃材を運ぶ運搬機が、巨大な砂嵐に
遭遇し不時着してしまう。ルーチン業務を日々無難にこなすだけ
だった貨物機操縦士のフランク(デニス・クエイド兄い(*^^*)ポッ)
は、自分たちの状況が最悪なのを察し、助けを待つしかないと悟る。
(極めて適切な判断(^^))が……コスト削減のため採掘所を閉鎖
した本社が、何処に不時着したかも判らない彼ら為にの捜索部隊を
出す予算など持っているわけがないことに気付き、10人は絶望の
淵に立たされた。しかし、その中で正体不明だったエリオット
(ジョヴァンニ・リビシさま)は不時着した貨物機の破損してい
ない部分を見つけ、この飛行機が復元可能であることを見抜き、
新しい飛行機が出来るプランを提示する……果たしてその行方は
如何に?

監督は、『エネミー・ライン』であの驚異の映像テクニックを見せ
付けたジョン・ムーアさま、そして脚本家が今一番注目している
天才スコット・フランクさまですから、悪い映画に仕上がる訳は無い。

冒頭で『エア・アメリカ』を彷彿とさせる能天気な緩みを見せ、採掘
所へ……そこに訳が判らないジョバンニ・リビシさまを入れる所迄
の展開がスムーズで無駄がありません。飛んで……早速襲い掛かる
砂嵐……これは映画館で観て欲しいもの。五里霧中では無く五千里
砂嵐中の中で、止む無く不時着……ここで二人死亡は言わばお約束。
全員が生き残っていたら、再生した飛行機で飛べるか?と言う設定
に従って死んで頂きますと撮影スタッフから渡される花束♪(^^;

不時着して確保するのが、まず水……そして食料。ここで体力温存
を考えた機長のフランクの判断は真に正しい選択。不時着経験も一度
や二度では利かないと見た!何を思ったのか小便をしたくなった男
一名……暗闇の中外に出て、運悪く石に転がり転落。

ここが第二の恐怖で御座いまして、月夜でも何でも無い真っ暗闇の
砂漠は、冬山と同じ状況なのか……と心胆寒かしめるものがありました。
不安に感じて動いて仕舞ったのが運の尽き……ここで一名御臨終<花束♪

冬山に限らずそうなんですが、山岳遭難の場合「動いた事」は、まず
十中八九裏目に出ます。下手に動いて体力を消耗し死亡するケースが
非常に多いので要注意。

そして……次から次へと状況が悪化していくのですが、最悪だったのは
強奪団と出会って仕舞った事。女子供が居ない……ってAJ(タイリース
・ギブソンさま)だったかな?の御言葉を信じていれば良かったんですが
やはり砂漠のど真中でも一番怖いのは人間なんですねぇ。
と……やはり、ここでも花束贈呈が行われましたです。しかも……音楽が
マッシブ・アタックの『エンジェル』って言うのが何とも凄い効果音♪
展開が判っていてもドキドキしますねぇ。

何だか最後の最後まで書いてしまいそうなんで、この辺で止めておきま
すが……一つ心に残る台詞があるんで、それを御紹介。

「人間は愛する人が居て、はじめて生きていられる。それが無かったら
希望が欲しい……希望が無ければ仕事をくれ」

これは、体力温存を考えたフランク機長の考えに異を唱えて、途中で
出て行ってしまう一人の言葉なんですが(この言葉に啓発されて、飛行機
を作ることを決意するクエイド兄い!)これが、この映画の象徴的な言葉
だと思うんですね(珍しく真っ当な意見)
希望を捨てずに前進すれば、必ず未来がやってくると言う予定調和説。
自分の場合、平常時に言われても場合に因っては退いてしまうケースが
多かったりするんですが、これは「パニック映画」の系譜!(・∀・)イイ!!
んです。そう……極限状態にあるからこそ希望の光が欲しい。それが真実!

この映画は、そうした聖林パニック映画の伝統を実に正統的に受け継いで
おります。ラストもあそこでバッサリと切って正解!
そう……これで良いんだよ(^^)と銀幕に向かってそう思いました。

でも……この映画のジョバンニ・リビジさまとはお友達に為りたくないよ
なぁ。何故、石油精錬所の皆様が迎え入れたのか?それだけが唯一の謎と
して残る部分であります(笑)

おまけ→
49歳にしてこの腹筋(*^^*)ポッ


「パニック映画友の会」大倉 里司
(2005年5月15日ワーナーマイカルシネマズ市川妙典にて鑑賞)

BGM:Massive Attack『Angel』

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