(愚)『アザース』

みなさま、御機嫌如何でせうか?わたくし、マダム・DEEPと申します。
わたくしが、此の度此方に参りましたのは、わたくしにとりまして、退屈
極まりなひ愚作を語る為にだけ参りましたのよ。(うんざり)


予め申し上げておきますが、この映画こそ究極の壱発藝張子映画と言ふべき
品物で御座ひまして、金輪際再見しなひことを明言させて頂きます。(きつぱり)

お話を語るのも馬鹿馬鹿しひことですが、一寸だけ申し上げますと………


時は、第弐次世界大戦末期の英国、チヤネル諸島のジヤジイ島に暮すグレヱス
(ニコール・キッドマンさま)と娘アン(アラキナ・マン御嬢様)と息子ニコラス
(ジェームズ・ベントレーさま)。旦那さまは、壱年半前に前線に行つたきり戻つ
てこなかつたのでせふ。そんな或る日、女中たちが突然がいなくなつてしまつた
広大な御屋敷の中で、親子で孤独な日々を送つておりました。
 新聞に出した求人広告が縁で、突然訪問者がやってくる。女中頭のミセス・ミルズ
(フイオヌラ・フラナガンさま)と女中のリディア(エレーン・キヤシデイ御嬢様)、
そして庭師のミスタア・タトル(エリツク・サイクスさま)の三人でせうが、
何故かリデイアは、言葉が喋れなひでおりました。
そして、この御屋敷には鉄の掟が御座ひまして、二人の子供が強度の光アレルギイ
の為に、部屋を通過する時には、必ず鍵を掛けてから次の部屋に移動するとやうこと。
静寂な御屋敷生活がずつと続ひておりましたが、御屋敷の中で人の足音や話し声が
響き渡り、ピアノが独りでに鳴りだすと言ふ怪異現象が頻繁に起き始めるのでせう
が………













闇夜に大輪の妖花を咲かせる罵詈雑言モウド


























とお話を綴つておりまして、如何にも「正統派ゴシツク浪漫」の香り漂ふ秀作の匂ひ
が致しますわね(うつとり)ところが、観て五分でがつかりしたので御座ひます。
何故かと申しますと、ヒロインを演じたニコール・キッドマンさまに何の魅力を感じ
られなひのでせう。ただ単にヒステリツクな馬鹿女を見せ付けられてうんざりして
をりましたときに、わたくしには「アザース」の存在が瞬時にわかつてしまつたので
せう。だつて、このやうに全然進化しなひ女御を主役にするならば、この展開しか
あり得なひと言ふことなのでせう。(うんざり)

生理的に合わなひことも相俟つて、御屋敷そのものに全然魅力が無ひのも退屈さを
加速させた一因と申せませう。絢爛豪華なものを英国御殿には求めておりませんが
それに致しましても「建物が生きてゐる」感じがまるで感じられず、何かが起きさふ
な匂ひと、それぞれの人々が抱へる「哀しみ」がまるで感じれなかつたのでせう。

その結果、どんな「驚き」が御座ひましてもそれに至る迄の話の展開が御屋敷同様
に空虚で御座ひましたし、しかもそれが事前に予測して居りましただけに欠伸だけ
を連発してしまふ結果となつたのでせう。

「裏社交界の徒花」マダム・DEEP

(2002年4月28日新宿ジョイシネマにて苦行)

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