(騙)『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』

去年、全米で公開されるや否やカルト賑わいを見せた本作。ブームに些か食傷
していたのですが、映画と言うものは、観る迄は判らない(笑)

1994年10月、ヘザー、マイケル、そしてジョシュという3人の映画学科
の大学生が、メリーランド州の森の中に入り、失踪した。この映画は、その3
人が残したフィルムを元に編集したドキュメンタリーと言うことに為っており
ます。


(以下未見の方は読まない方が無難です)
















極力情報を入れまいとしていたのですが、ふとした切っ掛けでこのプロジェクト
の実態を知ってしまったのですね。と………言うのは、監督のダニエル・マイリ
ック様とエドゥアルド・サンチェス様をはじめとするスタッフの方々が3人にフ
ィルムだけ渡して、密かに監視していたらしいのです。(笑)それがあるから、3
人が驚いたり怖がったりするのは、まことにリアル(笑)
何故(笑)マークが付くかと言えば、フィルムを観ながらスタッフの方は大変楽し
まれただろうなぁ……(^^ゞと言う鬼畜ノリで観ている自分が居たからなんですね。

それにしても感心したのは、良く3人を騙し通したなぁ……と言う事。
編集の妙なのか?「ブレアの森伝説」と言うのは、実際にある話しなのか?
住民にインタビューする構成になっておりますが、住人が関係者であることは
先刻承知の上でしょうが、やはりそうした下地を作って3人には言い含めてい
たのだろうなぁ……知らぬは3人ばかりなりって……(^^ゞ

何故かと言うと、真にドキュメンタリーを制作しようとしたのならば、3人が
「関係者」だけに留まらず、真の住人にもインタビューをして真相を知ってし
まう危険性が大だったことと、「ブレアの森」に入る時、二人の釣り人にイン
タビューをすると言う構成になっておりますが、この二人は明らかに「関係者」
です。(断言)何故、断言出来るかと言えば、一度でもルアーを使った釣りを
した人ならば判る筈ですが、あの様な小川で「スプーン」(ルアーの一種で形
状がスプーンに似ていることから付けられた。重さは10g前後。金属製)を
使った釣りは致しません。使うのならば「フライ」(毛針)を使用します。金
属性の「スプーン」ならば、光るからと言う理由だからでしょう。(多分)

で……此処からが「放置プレイ」になるのですが……(笑)

ぼくは、「ホラー」としてでは無く、「遭難パニック物」としてこのフィルム
を高く評価致します。真面目な話、「手記」で極限状態の心理と行動を明らか
にしたものは『熊嵐』をはじめとして沢山残されておりますが………映像で残
した民間資料としては大変に貴重なものだからなのです。

3人それぞれのキャラクターによって行動パターンが決まり、或る者は投げ出し、
或る者は泣き、そしてもう一人は救出への道を探ろうとして絆を深めようとする
だが……それが壊れていくプロセスをこの目で見たのは非常に貴重な体験でした。

編集したフィルムも貴重ですが……是非生の全フィルムを何処かの資料館に寄贈
して頂くことを切に願って止みません。言わば「裏教育映画」としての資料価値
として最高の財産になるでしょう。\(^0^)/

ただ……難点を言えば、映画の冒頭で何フィートのテープを渡した(残した)か
を説明して貰えると時間の経過が分かりやすくなったと思うのです。それが、少
々心残りではあります。

「パニック映画友の会」大倉 里司
(2000年1月2日 新宿ミラノ座にて鑑賞)

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