(論)『ザ・コンテンダー』

副大統領の死から3週間。任期を2年残した民主党のジャクソン・エヴァンス
大統領(ジェフ・ブリッジスさま)は、後任の副大統領選びに苦慮していた。
そんなとき、最有力候補とみなされていたジャック・ハサウェイ知事(ウィ
リアム・ピーターセンさま)が、釣りの最中に自動車事故と出くわす出来事
が起こる。車ごと湖に落ちた女性は運悪く死亡してしまったが、彼女を助け
ようと湖に飛び込んだハサウェイの英雄行為はマスコミの注目を集め、彼を
副大統領に推す声はいちだんと高まったが、大統領側近のニューマン(サム
・エリオットさま)等が推したのは、レイン・ハンソン上院議員(ジョーン・
アレンさま)だった……。
指名は受けたけれども、アメリカン・デモクラシーは建国早々そんなにヤワ
には出来ておらず、正式に副大統領の座につくには、下院の司法委員会が開
く聴聞会を経て、議会の承認を受けなければならないのでありました。です
が司法委員会の委員長をつとめる古株共和党議員のラニヨン(ゲイリー・オ
ールドマンさま)は、ハサウェイ知事と親交が厚く、当然のことながら反対
表明……ハンソン議員が大学生時代に起こしたセックス・スキャンダルの
情報を元に強い揺さ振りを掛けてきた……

久々に骨のある、しっかりとした「政治サスペンス」を拝見しました。
いまは音沙汰が無いけれども「SDI構想」がありまして、何の為に開発を
進めているか?と言えば「アメリカ本土及び、アメリカ国民」を守る為では
無いんですね。これは……「核戦争が起きて、世界中が焦土と化してもアメ
リカン・デモクラシーを守るため」に開発が進められたものです。

建国の父たちが目指した「アメリカン・デモクラシー」は、非常に優れた政治
システムであると固く信じておりまして、その特徴は徹底した三権分立と、
「独裁者を出さない」仕組みなんです。

今回の映画は、その根本的な建国の父たちの理想と言う「建前」の部分に焦
点を当てて、ラスト近くの大統領演説には多少鬱陶しくもありますが、まあ、
この位でしたら許容範囲内です。

感心したのは、ラニヨン議員とウェブスター下院議員をはじめとする「強かさ」
の違いを含めて、各人のキャラクターが鮮やかに切り込まれ、大統領にジェフ
・ブリッジスを配したと言うキャスティングの妙。これでは、流石に一寸先は
読めません。(笑)

チャキパティク島事件とか……マッカーシズムの再来云々と言う「米国政治マ
ニヤ」には堪らない要素をビシバシ織り込み、ラニヨン議員の質問の巧みさ、
ハンソン議員の切りぬけ方(私は、私の方法)に舌鼓を打ち、あれよあれよと
終盤まで持っていく力量はかなりのもの。

そして、「副大統領って良いのは決して暗殺されないことだよね(^^)」と
幼子に語らせる「毒」の利いた笑い。\(^0^)/

ただ……懸念するのは、自分がこれだけ喜んだからには、決して「一般ウケ」
しないだろうなぁと言う事なんですね。

「裁判映画友の会」広報担当 大倉 里司
(2001年7月4日 新宿ピカデリー2にて鑑賞)

「さ」行で、はじまる映画の感想にもどる

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送