(?)『アイアン・ジャイアント』

1957年の米国メイン州(と……言ってもキング原作では無い)の海沿いに
ある街ロックウェル。9歳の少年ホーガスは、ひょんなことから森の中の変電
所で危機に陥っている巨大鉄ロボットを助ける羽目になる。受けた恩は返さな
くてはと思ったのかどうかは知らないが……ホーガスとそのロボット=アイア
ンジャイアントは仲良くなる……が、しかしこのロボットには鉄をエネルギー
源とすることと………善良なだけでは無く、ある機能が含まれていたのだった。

非常に感動的で、良い映画………製作者の想いも伝わってくるし、嫌味が無い
これを絶賛する人が多いのも肯ける話ですが……残念ながら自分の琴線に触
れる部分がまるで無かったという実に哀しい映画なんですよ。

出来が良いし、何よりも「嫌味」が無いんで……誉めたいのは山々……決して
罵詈雑言モードには為らないけれども、蓋が閉まった回転寿司の大トロの様に
無情にも映画は進行していくのでした………。






(お好きな方は読まないで下さい………自分が如何に了見が狭いか?と言う告白
大会です)








で……何故乗れなかったのか?を考えてみると理由は幾つかありまして……

1.ロボットが何処から来たのか?

果てしない宇宙から飛んできたのは判るのですが……その設定が受け入れなかっ
たのですねぇ。何の為に?と言う目的が「物語を進める為だけ」にしか見えなか
ったのですm(__)m

2.何故、あんなにも自然に言語を覚えたり、人間的な感情を豊富に持ってい
るのか?

此処なんですが、自分の場合非常に了見が狭くて……スミマセン。m(__)m
例えば、『ロボコップ』の場合だったら、全然問題なくクリアー出来てしまうん
です。何故か?と言えば、マーフィーが「元々は人間の魂」を持っていたからな
んです。で……『ショート・サーキット』になってしまうと、駄目なんですね。
元から機械で、それが感情を持つ為には、余程のことが無いと受け入れにくい体
質なんです。

3.父親が不在なのは分かるのですが……何が原因で死んだのかが判らない。

ここが結構大きなポイントでして、どうやら朝鮮戦争で戦死したらしい……と言
う情報は手に入れたのですが、第二次大戦なのか?朝鮮戦争なのか?はたまた蒸
発したのか?それとも交通事故死なのか?これが明記されていたら少しは乗れた
のかも知れません。

4.「銃」や「核戦争」に対するアンチテーゼは良く判るし、評価出来る場面が
多いのですけれども、個人的には「鉄を食う」為に住民からの反撥を受けて云々
と言う展開の方が好みだったのですね。(涙)

5.あの政府捜査官にもう少し、キャラクターとしての深みを与えて欲しかった……

これもまた重要なポイントでして、これでは単に薄っぺらな小役人でしょう。彼
がどうしてこうした性格になってしまったのか?最後の最後に司令を出してしま
うところは良く判って好感を持てるのですが……

どうも……「機械」と言う設定に違和感を感じてしまったと言うのが突詰めた真実。
これが、「異形の民」とか「特殊能力を持ってしまった動物」だったら素直に乗れた
と思うのですよ。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年5月1日 ワーナーマイカル市川妙典スクリーン1にて鑑賞)

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