(緊)『交渉人』(2回目)

二回目の鑑賞ですし、既に粗筋と簡単な紹介はしてしまったので、いきなり感
想から入ります。

この映画の欠点は、目立った欠点が無いこと……一見矛盾する評価の様ですが、
実に細部迄良く組み立てられているし、キャラクターの配置も良いのです。

ただ、一度目に何の先入観も無しに観たときの様な、あの興奮は無いのですね。

例えば、『ダイ・ハード』を超える娯楽冒険活劇は無いとぼくは思っているの
ですが……あの映画だけは、5回位観てもやはり手に汗握ってしまう「何か」
があるのですよ。

非常に細部に拘って、その上で組み立てを行い、巨大な殿堂になったのがあの
映画だったら、この映画の魅力は、非常に精巧に出来た、からくり時計の様な
ものです。

ケヴィン・スペイシー様とサミュエル・L・ジャクソン様の演技の練り合わせ
は完璧。二度目観て本当にそう思いました。

小さい話しを……無実の罪を晴らすが為に此処まで大きくしてしまった脚本に
も驚くし、人種のバランスがイタリア系と愛蘭土系にくっきりと分けた配役も
見事。

そして、脇がしっかりしているし非常に良い意味で男臭い映画です。\(^0^)/

とりわけ、ローマン(サミュエル・L・ジャクソン)と対立するベック(デビ
ッド・モース)が、強行策を取るのにも何ら違和感が無いし、トラビス署長を
演じた(ジョン・スペンサー)も「色」があるんですね。

そして、人質にされてしまうキャラクターも立っている。とりわけ、詐欺犯の
ルーディ(ポール・ジャマッティ)が心地良い一服の清涼剤。

でも、これだけ良く出来ているのに、何か一味足りないのは、「破綻が無い様
に無い様に……」と思っていて(実際に破綻していないのが凄いことなのです
が)『バウンド』の様に、「こうなるだろう……(^^)……エエッ(^^ゞ」と言う
意外性が少ないこと。

『バウンド』の場合、「こうなるだろう……(^^)」的な予想をあらかじめ提示
しておいて、総てひっくり返す「挑戦」がありました。
この映画の中でも……あることは在るのですが、一回目は驚いても、二度目観
ると「どうかなぁ?」的なところがあったのも事実。

こうした欠点は感じましたが……夏場の映画としてだけで無く、今年の中でも
屈指の娯楽作品として、強く推させて頂きます。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司(HCD05016@nifty.ne.jp)
(7月4日 丸の内ルーブルにて鑑賞)

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