(好)「私の愛情の対象』

ストレートの女性と、ゲイの男性が同居する映画では、『キャリントン』や、
『ウェディング・バンケット』等がありますが、ここまでウェルメイドな作
りをした映画は初めて御目に掛かりました。

映画の内容を簡単に紹介すると……ソーシャル・ワーカーのニーナ(ジェニ
ファー・アニストン御嬢様) は義姉の家のパーティで、小学校教師でゲイの
ジョージ(ポール・ラッド様)と知り合う。ジョージは同棲していた恋人の
ジョリー(かなりの良い男(*^_^*)(ポッ))にふられたばかり。ニーナは行く
あてのないジョージを、ルームメイトとして迎え入れる。ニーナの恋人ヴィ
ンスは、いくらジョージがゲイだと聞かされても、自分でさえ一緒に住んで
いないのに彼女が別の男をルームメイトにしたのが少し気に入らない。実は
ニーナは、押しつけがましいヴィンスをちょっと疎ましく感じていたのだ。
やがてニーナとジョージは、次第に互いを最高の友人として感じ始めるよう
になる。そんな時ニーナがヴィンスの子供を身ごもったことがわかる。ニー
ナはジョージに、「子供を一緒に育てて欲しい」と頼みこむ。ニーナはジョ
ージを愛し始めていたのだ。たとえ彼がゲイであっても…。

ウェルメイドな作りをした映画は、大概うざったく感じるものですが、これ
も最初は違和感を感じたのですね。先ず、ジョージが子煩悩なゲイで、弟や
友人等に全てカミング・アウトしていて、ジョージと別れたことを全員知っ
ていると言う設定からして不可思議な感じがしたのですが、観ている内に余
りの脚本の上手さに痺れまくりました。(*^_^*)(ポッ)
そもそも原作があって、それを脚色したのがウェンディ・ワッサーステイン
御嬢様。この映画には「無駄な登場人物が一人も居ない」のです。\(^0^)/
原作は未読ですし良く書けているものだとしても、これだけ纏めたものです。

普通のカップルが観ても、全然違和感が無いように出来ているんですね。
腐っても聖林。監督は『クルーシブル』のニコラス・ハイトナー様。それぞ
れに見せ場を与えて、とりわけ、ナイジェル・ホーソーン様演じた老演劇評論
家の御姿には涙が出ました。自分を利用しているだけだとしても、やはり誰か
に居て欲しい………でも、ポールと言う俳優志願の男とジョージが寝ていても
黙って見詰めるしか出来ない辛さ。最初はスノッブそうに見えた描写が、ガラ
リと変わって切実な辛さとして伝わってくるんですね。
ぼくの場合も、何人かとそうした方とお付き合いしたことがありますが、「恋
人が出来たんだ………」と言うと、「それは良かった」と言って色々と相談に
乗ってくれたこと等を思い返すのですよ。

正直言えば、この映画ですが……今日は風邪気味で観ない侭返そうと思って居
りましたが、観ておいて良かったと切に思った傑作です。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年1月21日ビデオにて鑑賞)

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