(変)『他者』

ごく希に、紹介するのに困ってしまう映画があるんですが……この『他者』は、
正にそんな映画でして、一言で言えば、言い表せないことは無いんですよ。エジ
プト発マサラ・ムービーって……(((((^^;;

事実、この中の「舞ひ」と「唄」をもっと派手にしたら、10人中、8人は
「ちょっと変わったマサラ・ムービーだなぁ〜♪」と思うに相違ありません。

相当に変です。何とエジプト映画界の巨匠ユーセフ・シャヒーン監督の映画は、
『炎のアンダルシア』、『カイロ』、『アデユー・ポナパルド』と今迄3本を
観て参りましたが、これが一番訳判らないにも係わらず、一番面白い(^^ゞ

訳判らんと言っても、ちゃんと話は繋がっているんですが………ホント「変」
なんです。話のほうは、UCLAで原理主義の研究をしているアダム(ハニー・
サラマー様)が故郷エジプトに帰郷するときに、待ち合い室にいたジャーナリ
ストのハナネ(ハナネ・トルク御嬢様)と目が合い、二人は運命を感じる。
だが……ハナネは、アダムの父である大物財界人エッサムとは、犬猿の仲とな
ろうとしているジャーナリストだった………。

と……書くと、ホント、印度版「ロミオとジュリエット」的な悲恋になるもの
と思うじゃないですか。アダムの父と母は、強行に二人の仲を引き裂こうとし……
ですが、そうは為らないんです。(^^ゞ

案外と簡単に婚約式があって……その裏では、シナイ半島に3大宗教センター
を作ると言う大プロジェクトが進行し……ハッカーや、テロリストと為ったハナ
ネの兄とアダムの母、マーガレットの陰謀が進行し、ホントに「何でもアリ」の
一歩間違えれば、………『幻の湖』級の作品となったことなんでしょうが、そこ
は良くしたもので、そこそこ上手く纏めているのが、観ながら悔しかった!(涙)

とは、言え……随所に「変」と言うか、シュールな光景が唐突に登場し、観て
いる此方側の脳髄を蝕んでいくのです。(笑)

『幻の湖』級では無いけれども、『北京原人』とは、甲乙付け難い怪作(快作?)
であるかも知れません。思わぬ拾い物で、得した気分です\(^0^)/×(^^ゞ

自称「カルト部屋御挨拶係」大倉 里司
(2000年6月4日 「地中海映画祭」国際交流基金フォーラムにて鑑賞)

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