(間)『シックス・センス』

「先生は、ぼくのことを救ってくれなかった……」との言葉を遺し、元患者ヴ
ィンセントは、少年精神科医マルコム・クロウ(ブルース・ウィリス様)を撃
ち……自ら頭に銃口を向け自殺。一年半後……マルコムは、非常に良く似たケ
ースの患者を担当することに……その少年の名はコール・シアー(ハーレィ・
ジョエル・オスメント君)……母子家庭であることと………少年には人には決
して理解してもらえない苦悩があった………。

映画を観てから10日経つし……その間も随所で感想をバラ撒いているので重
複するかも知れませんが、御容赦ください。

「少年には死者を見ることが出来た」と言うのが大きな鍵を握っておりまして、
その前提を基に様々なドラマが生まれてきたんですが、出来栄えから言えば過
去観た作品の中でも10本の線に入るのでは無いかと思う位の出来栄えなんで
すね。

非常に脚本が上手く書けているなぁ……と思ったのですよ。と…言うのは随所
に張り巡らせた伏線も、終盤でああっ!と一挙に氷解する様に出来ております
し、短い言葉で少年のクロウならぬ苦労を滲み出させることに成功しているん
ですね。

クロウと言えば、先生の名でもありますが……その先生と少年の「間」をはじ
めとして、数々の人間関係の「間」を此れほど迄に精緻に描き出せる才能は、
若干29歳の若手監督とは思えません。

勝手な想像ですが……印度から米国の古都であるフィラディルフィアに移った
ものの、周りにはアジア系の友人が居なかったのでは?と推測してしまったん
ですね……と言うのは、自ら心を閉ざしてしまった一人の少年の孤独が「虹を
描けば喜んでもらえる……」と言う言葉だけで、どれほどまでに不幸なことで
あるかが手に取る様に解ってしまうんです。

ただ……上手いし、かなり好きな部類でもあるのですし、何よりも大切なこと
は「嫌味」が無いことなんですが……そうした苦悩を踏まえていても何だか素
直過ぎる気がするんですね……。
ヴィンセントの不幸があったから、それを補う為にと言うのもアリですけれど、
未だ「闇」の中をさ迷っているぼくに取っては「まあだだよ」と自分で扉を閉
ざしてしまっている気が致します。

所詮は捉え方の問題ですので、お気に為さらないで下さい。

尚、映画鑑賞後には、是非ともこちらを御覧頂くことを推奨させて頂きます。
ニフティ・サーブ内映画フォーラムで交わされた杉山 宣一様と他の皆様の対
話を御堪能頂ければ幸いで御座います。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(11月10日 新宿スカラ座にて鑑賞)

「さ」行で、はじまる映画の感想に戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送