(月)『リプリー』

傑作を目指しながら、泡と消えてしまった凡作。『リプリー』を一言で評すれ
ばこうならざるを得ない。

トム・リプリー(マット・ディモン君)は、ピアノ伴奏のアルバイト先で、造
船業界の大物であるハーバート・グリンリーフ(ジェイムズ・レブホーン様(*^^*)ポッ)
に声をかけられる。借り物のジャケットでグリンリーフの息子ディッキー(ジュード
・ロウ様(*^^*)ポッ)と同じプリンストン大学の卒業生だと勘違いされた為である
が、彼はこのオファーを受けてイタリアに旅立つ、税関で知り合ったのが富豪
の娘メレディス(ケイト・ブランシェット御嬢様)に自分は、ディッキー・グ
リンリーフだと名乗ってしまう。ディッキーは、作家の卵マージ(グウィネス・
パルトロウ)と、海を見下ろす邸宅で優雅な同棲生活を送っていた。ビーチで
くつろぐ彼らに、偶然を装って近づくトム・リプリーの運命や如何に?








さあ……はじめますか(^^)……罵倒の嵐かな?(^^?








この映画の最大の欠点は、太陽が燦然と頭上で輝いているディッキーを早々に
退場させ、「おめでたい外道女」マージを最後迄のさばらせていたことに尽きる!
少なくても自分にとってはそう。構造上の欠陥は順々に述べていくとして、自分
にとって嫌な女の条件を見事に揃えております。そして、また似合うんだな、
これが!でも、魅力が無いのは凄い(笑)




では……鬱憤ばらしの御時間です♪








何が嫌かと言えば、彼女に「自覚が無い」ことに尽きるんですわ……(--;)
洋上で「スキー場に誘われなかったのは残念ね」と表向きは、同情を見せてお
きながら無神経にトム君の心情を逆撫でしております。ディッキーに対しては
「何時まで置いておくの?」と聞えるか、聞えないかのところで囁く。ジュー
ド・ロウ様演じたディッキーが島のシルヴァーナ御嬢様(ステファニー・ロッ
カ御嬢様)を囲っているのが判るわぁ(同情)自分だったら5分話しただけで、
シャンパングラスで相手の顔を打つことを夢みながら、「貴女の顔は見たくな
いのよ、出ていってくださいな!」とマージに塩を投げつけて追い払います。
その位我慢ならない不遜な外道女ですね。(超断言!)

マット・ディモン君に関しては、本文で斬りまくる!と言ったのですが、良く
演じていると思いますよ。魅力を消すことに挑戦したのは評価しても良いでし
ょう(と……男には甘いのです(^^;;)でも、演出が的外れなんで全て台無しな
んですよねぇ(--;)

非常にトム・リプリーと言う男なんですが、自分が見るところ「有能」なんで
す。(意外)
まず、サインの偽造が出来るし、人の真似が出来る、そしてピアノが弾ける!
誇って良いんじゃない……と思いますよ。彼のキャラクターとして「上昇志向」
があるんですが、これが上手く出し切れて無かったんですねぇ……。NYのホ
テルでバイトをしていたのは、「金」の為と言うよりも、「上流階級」の方は
どんな趣味を持っていて、話し方、服装をしているか?を観察する為なんです。
でも、たった1シーンだけでは、「描写」にも「説明」にも為っていない。
あと1シーン付け加えれば俄然生きてくるんですよ。ホテルの中の客を観察し、
真似したり、メモを取ったりする場面だけで後半の伏線になるんです。
また……意外でしょうが、役作りに関して、マット君は只一つ致命的な失敗を
犯しています。それは、リプリー君の身体が良いこと(^^ゞ
これねぇ……最初のビーチのシーンで、わざわざ黄色いパンツを履かせて、真
っ白な肌を見せて「野暮ったさ」を出そうとしているんですが……甘い、甘い!
私の目は誤魔化せません(笑)もし、顔の部分を抜いて身体だけの写真を撮って、
二丁目界隈の「売り専スナック」にカタログとして出したら、指名が掛かるのは、
ディッキーの方では無くリプリー君のほうです!(超断言!)実に脂肪分が無い
水泳体型でして、これは非常に高値が付きます!だから、ビーチのシーンでは
CGでも何でも良かったから、腹筋が割れている御姿を見せてはいけないのです!
腹が出ているのは変ですが、のっぺりした感じを出して、シャワーのあと、バス
タオルを外してしまうシーンで、腹筋が割れているシーンを出せば説得力が出て
きた筈なんです。

こうした有能さを持ちながら、屈折した「闇」を持っている……前作の『太陽が
いっぱい』では、それが生きていた。ですが……今回の『リプリー』では「闇」
と物語の進行が平行でも、交錯するんでも無く捻じ曲がって仕舞っているんです。
ホント…ヘタ。

高飛びすれば良いんじゃ無い?とか言う意見もあるのが、素直に肯けてしまう程
モタモタしていて、「これが……あの有能さを持った男か?」と思わせる描き方
なんで自分はイライラしましたねぇ。そして、あの「外道女」マージが絡んでく
るんで、うざったさ倍増!唯一の救いは、ケイト・ブランシェット御嬢様演じた
メレディス御嬢様が時折、ジュード・ロウ様が居なくなってしまった後に暗雲か
らひょっこり顔を出した太陽の如く出てくるのと、御父上を演じられたジェイム
ズ・レブホーン様の色っぽさ。(*^^*)ポッ
いやぁ……帽子を被った御姿が何ともセクシーで目の保養!(キャー)この父に
して、この息子アリですなぁ。

で……ジュード・ロウ様演じた、ディッキーなんですが、上手いところは「邪気」
が無いんですね。自分の欲望に忠実に動いているんで、仮に自分が言われても、
それほど怨みを持たないタイプです。でも……殺すかぁ?(^^;;>リプリー君よ!
惚れていたのか……財産に執着していたのか?まあ、どちらでもあるんですが、
この「殺しても愛していた」と言う描写に対しては、コリン・ファース様とハート
・ボックナー様が共演なさった隠れた傑作『アパートメント・ゼロ』のほうが数
百倍格が上!

部分部分では、「おおっ!」と思う場面もあったのですが、全部予告編に入って
おりました(笑)

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年8月31日 渋谷東急2にて鑑賞)

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