未だ持って謎となっているのが、『プリシラ』の向こうを張って何故この作品
を製作したのだろうか?ってことなんですよ。
『プリシラ』が英語圏以外の映画だったら、まだリメイクと言うか、こうした
翻案(?)もアリでしょうが……取って付けた部分が出来が悪いのではどーし
ようも無いんですね。
ニューヨークで開かれたドラッグ・クイーン・コンテストで優勝した二人が、
落選してしまったラテン系のプリンセス(何と!ジョー・レグイザモ様が!)
を引連れてロサンゼルスで開かれる全米コンテストに向かうが、道中車が故障
し、田舎町にて車の部品が届く迄の間、小さな町に波紋を巻き起こしてゆく。
先ず、良い点から申しあげます。リーダーを演じたパトリック・スエィジ様は、
元ダンサーだけあってニューヨークで開かれるコンテストの花道のシーンでは
本当に「華」があるんですね。歩き方が優雅です。
ただ……あれっ?と思うのもこの点でして、何故故にマッチョな3人をキャス
ティングしたのか?こんなドラッグ・クイーン居ませんよ(笑)マッチョでも
良いのですが、着替えのシーンを入れたのは失敗ですね。
それと……ドジな警官役のクリス・ペン様が中々良い味出しています。兄弟で
もこれだけ体格が違うのは悲劇なのか、幸福なのか?
駄目な点は、『プリシラ』のルーツが70年代を模したのに対し、此方は50
年〜60年代を模した点。どうやっても「古いなぁ………」的な感覚が付き纏
うし、住民の殆どが何故、女装した男だって気が付かないのか?こうした所を
安易にしてしまっている為にラスト近くは本当に説得力に欠けるんですよ。
「御伽話」は判っておりますが、こうした最小限の「御約束事」を守って貰わ
ないと本当に白けた侭映画が進んでしまうので始末に終えません。
ただ、ラストシーンだけは、流石は聖林って感じが全開でしたが、これだけと
言うのは情けない。
「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年1月21日ビデオにて鑑賞)
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