(愚)『誘拐犯』

ロングボー(ベニチオ・デル・トロさま)とパーカー(ライラン・フィリップ
さま)は、大富豪のチダック夫妻が出産を依頼した代理母のロビン(ジュリエ
ット・ルイス御嬢様)を誘拐、1500万ドルの身代金を要求する計画を急遽立て
る。身重のロビンを首尾良く拉致したまでは良かったが、なんと、チダックが
裏社会の顔役であることに2人は気付いていなかった。チダックの命を受け、
動き出した刺客たちに逆に命を狙われるはめになるのでありました……

傑作『ユージュアル・サスペクツ』の脚本家、クリストファー・マックァリー
の初監督作品と言う触れ込みですが、脚本に魅力ゼロですわ(--;)
そもそも、『ユージュアル・サスペクツ』でのアカデミー脚本賞受賞式の際の
彼の言動を見ていれば判るんですが、完全なるオネエさんでは無いですか……
別にオネエさんが悪いと言っている訳では無く、「自分には男の浪漫を書ける」
と言う飛んでもない勘違いからこの映画の失敗がはじまっています。(笑)

書いてて楽しいから「罵詈雑言モード」にはしないけれども、役者の魅力で総
べて持っているんですねぇ。ことに髭を生やしたライアン・フィリップさまが
今回はヤケに可愛いんです。そして老け専には堪らない(笑)マフィアの掃除屋
ジョー・サーノにはジェームズ・カーンさま。アダルト専には、ベニチオさま
と多方面対応。そして、出てくる脇の男性が皆ハンサムさん揃い……監督の
趣味全開なのでありました。(まあ、これもあるから罵倒回避ですねぇ)

この映画の失敗をあげつらうとキリが無いけど……楽しいから書きますね(^o^)

まず、二人の関係が全然良く判らないんです。ゲイの恋人同士なのか?単に友
情関係なのか?どちらかが隠れゲイなのか?
そして、肝心要の誘拐事件も「根源」がまるでダメ。計画性ゼロですし、何で
誘拐したのか?の動機の部分がホッタラカシ。
一応「金目当て」ではあるんでしょうし、日々の生活に困っているから自棄糞
で云々は「想像すれば」判りますよん。でも……???の連続。

そして、その脆弱な土台の上に重ねられるデコレーション(これは面白い!)
本筋と関係無い「オネエさん爆発モウド」が光るんですねぇー。

と……言うのは、チダック夫人の描写をするときだけは、マジで面白い♪
ノリノリで撮っているのが判るし、胎児のスキャン映像を手で撫で回している
シーンは白眉!この人、悪女物を撮ると大傑作を撮りますよ!(超断言)
オカマ心擽られまくり\(^0^)/

無理して「男の世界」なんて撮らないほうが、身の為。何でここまで辛辣に書
くかと言えば、ラストはメキシコ的風景の中で「サム・ペキンパー的世界」を
描こうとしているんですよん。
その志は認めましょう。でも、ゲーム感覚でペキンパーを撮って欲しく無いん
ですね。シーン、シーンが脳裏で映像にあるのは判る。でも、娼館にありがち
な熱気の欠如と(いっそのこと男娼館だと良かったかも……これは、マジです)
弾の無駄撃ちが多すぎるのですね。
そして、致命的なのが「必然性」が感じられないこと。

土台が空虚なために、絢爛豪華なデコレーションを載せてみても、甚だ釣り合
いが取れていない。

本心に戻って、現在の社交界を舞台にした「悪女物」を早く撮って欲しいのが
本音ですねぇ。アンタには男を撮るのは無理ですから……(^^)/~

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2001年6月29日 新宿ピカデリー2にて鑑賞)

「や」行で、はじまる映画の感想にもどる

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送