(運)『頭目』

『頭目』ですが、僕にとってみれば、惜しい作品です。(普通に言えば失敗作)
やろうとしている意図は分かるのですが、一つのエピソードの骨格を納得させ
無いまま次に進んでしまうと言う、マニラトナム監督の非常に悪い癖が出た
気がするのです。

冒頭のシーンは素晴らしいものですし、映像もまた良い。
ただ、59年から87年に飛ばしてしまうのは、お約束事ですから良いんです
が、その後のエピソード一つ一つが途轍も無く素晴らしい物になるにも係わ
らず、妙に話を交錯させた所為で全部が失敗しております。

『沈黙の旋律』が小粒ながらも秀作として仕上がっていたのは、非常にこじ
んまりとした家庭劇に収めたからだと本日納得致しました。

かと言って、マニラトラム監督が決して才能が無いとは言いません。将来性に
結びつく未完成の部分を持っていて、「志」の高さは十分に伺えるのです。

『ボンベイ』が大傑作な様なので、『ボンベイ』でその才能が開花していれば
嬉しいことなのですが………。

この作品で発見したことを余談になりますが、書かせて頂きます。

ラジニカーント様なのですが、この方の「舞ひ」には、はっきりとした特徴が
或る事なのです。

それは、振付け師も十分に計算していることだと思いますが、彼の「舞ひ」は
「腰」に重点を置くと言うやり方です。

『ムトゥ〜踊るマハラジャ』でも、その印象はありましたが、「腰」の動きを強調
して所謂「色」を醸し出しているのではないでしょうか?

「大河ロマンを愛する会」 大倉 里司(HCD05016@nifty.ne.jp)

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