(甘)『椿姫』(1988年松竹版)

みなさま御機嫌如何でせうか?わたくし、マダム・DEEPで御座ひます。
小デュマことデュマ・フィスさまが御書きになられた小説『椿姫』をオペラ
として蘇らせたのはヴェルディさまで御座ひまして一八五三年の初演以来
最も人々に愛された作品となりましたの。

ですが……この『椿姫』は、誕生以来類を見なひ珍作と申しても良ひやうな
気がしております。

北海道の釧路でリサイタルを行なふ予定のオペラ歌手水原千絵子さま(松阪
慶子さま)の乗つた飛行機が釧路空港に濃霧が立ち込めた為、女満別空港に
降り立つことになりましたの……女満別空港から釧路の公演先までの足を務
めることになりましたのが、オペラ狂ひのタクシイ運転手格次郎(加藤健一
さま)運転中に千絵子は、格次郎さまより、五年前のある戀の顛末を聞かさ
れることに……



(廃盤納得の罵詈雑言モウド)

 







この戀が『椿姫』をモテテフにした御話なのですが、ヴィオレツタ御嬢様を
小雪とやう芸妓にするところ、南仏の富豪の息子のアルフレッドさまを二人
の子持ちでタクシイ運転手の格次郎さまにしてゐるところが何とも……

脚本を御書きになつたのは山田洋次さまと朝間義隆さま。『男はつらいよ』
シリイズの名コンビでせうが、とにもかくにもかうした貧乏臭ひ人情噺にして
何とも感じなひ恐るべき厚顔無恥さに只管目眩がするだけなのでせう。

何故故に「貧乏臭ひ」と言ふかと申せば、言わば一つのクライマツクスとして、
『ラ・トラヴィアータ』の公演が在るのでせうが、この時の客席が地味!!!
そして舞台にも一向の「華」が無ひのでせう。

映画本編は、御話の設定上「貧乏臭」くても構わなひと思つておりますのよ。
ただ……自分の考へなのかどうかは存じませんけれども、華やかな筈の「舞台」
にすら何の光も当てなひと云ふのは犯罪的に許し難ひ行為ですことよ。

更に、小雪とやう芸妓は、歌姫として登場なのでせうが……松阪慶子さまが、
演技が下手なのは許すとしても、実際に歌つて居なひのは許し難ひことでせう。
歌ふシインでは実際に歌つて、後程声合わせをするのが言わば定説!
そふしなひと全くもちまして、不自然になるので御座ひます。
多少は期待したわたくしが愚かで御座ひましたわ。絶盤になるのも仕方の無ひ
作品であることは疑ひようが御座ひません。

「裏社交界の徒花」 マダム・DEEP
(2001年5月8日 ビデオにて鑑賞)

BGM:ジュゼッペ・ヴェルディ作 歌劇『ラ・トラヴィアータ』より『乾杯の歌』

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