(官)『スペシャリスト〜自覚なき殺戮者』

この裁判の被告のアドルフ・アイヒマンは、平均的な背丈の50代の男性。近眼
で頭髪はほとんど禿げ上がっており、神経性の痙繁で悩んでいる。「ユダヤ人
問題」のスペシャリストであったアイヒマンは、1941年から1945年にかけて行
われた「人種上の理由による国外追放者」をナチス強制収容所へ移送する責任
者であり、彼はこの仕事を驚くほどに官僚的な正確さで遂行し、その罪により
イスラエル特殊機関により捕えられ此処に座っている……。

余談ですが………イスラエルで唯一「死刑の適用」があるのは、「戦争犯罪」
に対してだけなんです。

さて……1960年に彼がアルゼンチンのブエノス・アイレスに潜伏している
ところをイスラエルの諜報機関「モサド」によってとっ捕まった訳ですが、そ
の時の工作員が「こんな貧相な男だとは思わなかった……(涙)」と語っていた
のを読んだ記憶があり(落合信彦著『モサド・その真実』)確かにゲーリング
の様に偉そうにして貰った方が、捕まえ甲斐があったと言うもの………。


「官僚は人間の屑である!」と言い切ったのは、電力の鬼として電力民営化を
推し進めた故松永安左ヱ門翁でした。どーでも良い事柄ですが、この人の御蔭
で素晴らしい茶道具のコレクションが東京国立博物館にあるんです(^^ゞ
さて、このアイヒマン………「官僚」としては、ホント優秀な方だと思いますよ。
ただ………キャリアに染まってしまったと言うか?公の席だからか……はたまた
命が繋っていたからか???「官僚」の皆様は、「私的な席」だと、他では持っ
ていない様なネタを持っていたり、発想がユニークな人が多く、話していて面白
いのですが……こと、「公の見解」を読ませて貰うと(下書きの国会答弁用の原
稿を読ませて頂いたことがあるんです)これが、酷くつまらない。(笑)

まあ………我々会社人としても「公文書」は、堅苦しくなるものなんですが(^^ゞ

で……この人は、ホント……頭のネジが最初から飛んでいる。論理的、思考的
には凄いんですが………想像力がまるで無い……三角定規とコンパス(それじ
ゃあ……某結社の意匠じゃないの?(爆))もし、若いときに誘われても、一回
寝て飽きてしまうタイプだなぁ……顔と身体が良くてもですよ……そんな感じ。
まあ………50であの顔じゃぁ……30代に会っても、全然そそらなかったかっ
たでしょうが……(と、限りなく下ネタに落とす)

ここまで極端な人で無くとも、あの時代に強力な政権が出来て、しかも職を得る
ために……こうした職種に就いていたら(当時は全勝ムード♪)で、あれば靡い
ても不思議じゃないのかなぁ?と思わせるのが一つですね。

彼が語っていた通り、もし「現場勤務」だったら、それを拒否して居ただろう……
は本心だと思うんです。ただ……「不幸」にも直接感知して居なかったんで、誤魔
化せたと言う次第。

こうした状況下でも、流されずに拒否するには、人一倍の強靭な精神が必要です
ね……今のところそうした時代に生まれずに運と時代が良かったと我が身の安堵
を喜ぶばかり……\(^0^)/

でも……もし、その時代だったら……自分も同じことをして居ただろうなぁ…(--;)

もし、現在において、一瞬の躊躇もなく「絶対反対」と断言出来る人を「おめでた
い人」と自分は呼んでいます。

「裁判映画友の会」広報担当 大倉 里司

(2000年10月4日 ビデオにて鑑賞)

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