(仏)『運命からの逃走』

皆様、新年明けましておめでとう御座います。2000年早々、自分が所属し
ているML「映画窟」を揺るがせた(^^ゞ『運命からの逃走』を観ることが出
来ました。(^^)

話しの方を簡単に追っていくと……ジァップの恋人ワーンは信心深く、デート
ではいつもお寺参り。だが、そうした功徳にも係わらず運命は非情にも、お寺
からの帰り道でワーンが交通事故に遭ってしまう……怪我は予想以上に酷くワ
ーンは危篤状態。苦しくなくても仏頼みをしていたジャップは、これだけ信心
したのだから死なせることは無いでしょう?と祈願していた……やがて一人の
高僧が現れ、ワーンが交通事故に遭い死に至るのは、前世で殺人の因縁を犯し
ていた為にその報いを現世で受けているのだと諭される……(こんな事言うな
よなぁ……(^^;;)

が……その高僧曰く、前世からの悪因を断ち切る方法が一つだけあるのだよと
諭す。(^^)それは、多額の「御布施」(^^;;ならぬ、これから死ぬ運命にあ
る五人の命を救うことだけだった……。もやもやしたジャップの前に、帰り道、
白紙の新聞紙が飛び込んできた。翌日日付の新聞には、一人の警官の自殺記事
が載っていたのだった……

さあ、凄いぞ!これぞヒンドゥ教ならぬ仏教的価値観による大娯楽活劇。輪廻,
因縁と言う御馴染みの背景をバックにしているものだから、聖書の知識が無く
ても良く分かる!(爆)

一人目、二人目と自殺者ばかり対象かなぁ……と思っていたら、それだけでは
無く色々な「死」のバリエーションがあるのだなぁ……と鬼畜な意味で感心し
きり。しかも、一番力が入っているのは三人目のバージョンなんですね。一人
目は香港アクション風の味付け、二人目はフランク・キャプラ的なアメリカ的
ヒューマニズムの世界。そして、三人目は、明らかに『リング』を意識したの
では?という怒涛の展開。ヒッチコックというよりもデ・パルマ的なスローモ
ーションの活用、時計の描写。テレビのモニターの前で「おおっ!\(^0^)/」
的なノリノリ……

最後は、『バックドラフト』のパクリもあり………タイは印度に負けていない
との感しきり。

全体を通しての印象は、スピルバーグ=ゼメキス&ルーカス=ロン・ハワード
に代表される聖林大娯楽作品を自分の世界に持ってきた感があります。
パクリだろうが良いんです。独自の世界を確立して頂ければ………(^^)
今迄に観たタイ娯楽映画の中でも、一番出来が良い作品でしょう。

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(2000年1月1日 NHK教育テレビにて鑑賞)

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