(本)『ユー・ガット・メール』

『マトリックス』からはじまる長い長い予告編を見せられて(11分あった)
う〜ん、『シン・レッド・ライン』が何故無い………と思っていたら、公開劇
場が東急系なだけで、映画会社がまるで違っていたことに赤面しました。(恥)

さて、この物語は、E−MAILを使った見知らぬ男と女が知り合って………
と言う「ネット型ブラインドデート」物語ですが、同じ素材であれば、『ラブ
・ゴー・ゴー』の方がずっと身につまされたなぁ………と言うのが正直な感想。

と………言っても、オープニングは非常に上手いし、最初から一時間三十分迄
はとても面白く観れるのだが、その後がいけない。

物語の方は、ニューヨークで大規模なチェーン・ストア系の『FOX・ブック
・スーパーストア』のマネージャー(?)と云うか上級幹部であり、創設者の
一族であるジョー(トム・ハンクス)が、「30代の部屋」と云うインターネ
ットのフォーラムに入っており、同じフォーラムに入っていたキャサリン(メ
グ・ライアン)とメール友達になる。が………しかし、キャサリンはジョーの
出す新店進出地域で、老舗の児童文学書店「街角の店」と云う二代目のオーナ
ーだった………。
当然のことながら、商売敵となる二人………お互いの素性を知らぬ侭、メール
でのやり取りは親密さを増すのでありました。

全体を通してのイメージを語るならば、『危険な関係』と『ガラスの仮面』を
足して2で割った様な感があります。(笑)

最初の一時間半は………大規模書店VS専門書店の闘いを描いている様に
見えるのですが、確かにアメリカの場合、本の流通機構が異なる為、「定価販
売」はして居ないのですね。だからと言って、大型店が進出しただけで、専門
店の売り上げが低下するかと言えば疑問が残ります。

確かに地方にある一般個人商店であれば、大型店の進出によりダメージを被る
ことはあるでしょうが、大都市にある専門店であって、小規模な店であるにも
係わらず4人も従業員を使う店ならば、次の様な方策が取れるのでは無いかと
思ったのですよ。

1.大型店の中にテナントを出す
2.せめて児童書は置かないように陳情する

それに、売り方も違うし、値段の高さは「知識」や「朗読会」と言ったソフト
ウェアの部分で補っているので、直ぐに売り上げに響くことは考えにくいので
すが……。

余談になりますが、一番頭に来たのはバブル絶頂期で神保町の古書街が一時期
地上げ屋の危機にさらされたこと。
本屋が本屋を倒すのであれば、まだ諦めも着くのですが………「文化」をロク
に判っていない「見せ掛けだけのパトロネージュ」をしている某大手企業が進
出するのには激しい憤りを感じます。と………まあ、本の話題になると昔の血
が騒ぐもので………(^^ゞ

さて、何がいけないかと言えば、ラスト30分が冗長すぎること。

風邪見舞いに行ったジョーの語りで、「あなただったのね………」とキリ良く
切れればスッキリとした味わいが出たことでしょう………THE END

「大河浪漫を愛する会」大倉 里司
(9月11日 ビデオにて鑑賞)

BGM:The Cranberries『Dreams』

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